小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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デフレに挑む2003フランチャイズショー
 3月6から8日までビッグサイトで恒例のフランチャイズショーが開かれます。今年は第29回ということですが、180社の出店があるそうです。昨年が168社ですからかなり多くの出店社数になります。定年の人や早期退職の人、あるいは仕事に就けない人などが多いと言うこともあるのか、出店社は、個人を対象にしたフランチャイズが多くなっているようです。米国では小資本で稼ぐ、スモールビジネスの話をよく聞きますが、まさにその類でしょう。

 フランチャイズは、1850年シンガーソーイングミシンや1886年のコカコーラなどによって始められました。いずれもメーカーの流通ルート開拓として始まっています。店舗は単なる商品を販売する場所でしかありませんでしたので、販売のノウハウと言ったものはありません。これらのフランチャイズは、伝統的フランチャイズと呼ばれています。

店舗での販売ノウハウまで含めたフランチャイズが生まれたのは、第二次世界大戦が終わってからです。ヨーロッパやアジアに展開していた復員軍人が故郷に戻ってくると、仕事が必要となりました。そこで融資制度が成立し、独立した事業としてフランチャイズが確立するのです。当時、フランチャイザー(ビジネスフォーマットの提供者)にとっても、フランチャイジー(フォーマットの使用者)にとっても良い経済環境が生まれたのです。

 多くの店舗を展開するチェーンストアにもさまざまなものがあります。単独資本が展開する中央統制のチェーンストアをレギュラーチェーンと言います。日本ではこの形態のウエイトが高くなっています。その他、ボランタリーチェーン、コーペラティブチェーン、コンセッショナルチェーン、フランチャイズチェーンなどがあります。

フランチャイズチェーンは、ザーがジーに事業許可を与え、商品や材料の提供とともに組織、教育、販売方法、管理方式を統制して営業させ、一定の契約手数料を取る、契約に基づくチェーンです。日本では、1963年にダスキンの「愛の店」やお菓子の「不二家」などが始まりですが、1973年にファミリーマートの誕生から始まるコンビニエンスストアの出店が、フランチャイズの発火点になりました。

 フランチャーズチェーンには、レギュラーチェーンと違って、二人の経営者がいます。一人はザーの社長であり、もう一人はジーの社長です。そのためレギュラーチェーンにはないトラブルも生まれてきます。お弁当の廃棄がもったいない、ということで本部の指示に従わないといった問題やエリア・フランチャイザー(特定の地域で店舗の出店権利を購入する契約)が、それまで加盟していたフランチャイズから別のフランチャイズに身売りする、といった問題などです。そうしたトラブルが起きないように本部はコミュニケーションを密にし、ジーの利益を増やすように努力を欠かしません。

 フランチャイズは、アメリカで生まれ、日本に導入されましたが、日米ではかなりの違いがあります。アメリカは契約社会なので、契約書に基づくビジネスは、当たり前のことです。日本の場合は、信頼関係がビジネスのベースになります。契約書に書かれていても契約には結びつきません。システムも日本では、本部と加盟店という関係で、本部に対する期待や要望が多くなります。アメリカでは、ザーとジーの関係は、権利の売り手と買い手の関係です。ザーは、フランチャイズ・パッケージをジーに提供し、ジーはそのパッケージを購入するのです。従って、日本では本部に加盟する、と言いますが、アメリカでは、フランチャイズ契約は、「バイ(購入する)」と言います。

 日本は、現在長きにわたるデフレによって、失業者の数が多くなっています。さらに定年退職や中途退職など「団塊世代」と言われる人たちによって無職の人が増えると思われます。無職と言っても、十分な年金が貰えるかどうか不安ですし、収入源を探すことになります。ビジネスを探す人はたくさんいるのです。第二次世界大戦後のアメリカの情況です。これに融資制度が確立し、しっかりしたビジネスの提示があれば、景気も上向いて行くのではないかと思われますが、今回のフランチャイズショーがそうした選択の提示になるかどうか、注目されるところです。
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