小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ビックロで注目される大きな実験
 小売業は、やってみなければ解らないことの多いビジネスです。お客の置かれている場所、時間、シチュエーション、意識などによって行動に変化があるからです。何かに固執しているよりも、まず行ってみることが必要なのです。イトーヨーカドーの業務改革でも「仮説・検証」が重視されたのもそのためです。仮説を立て、実行してその結果を検証するということは、小売業にとっては極めて重要なことなのです。

 アメリカは、約150年のチェーンストア史の中で数々の実験が行われてきました。激しい競争の世界で、競争相手に優位性を持つには、仮説を立て実行をしてみることが勝つための条件でもあったのです。プラグマチズムと言われる思想もそんなところから出ているのでしょう。日本の小売業者がアメリカ視察で学んだのは、そうした実験を繰り返したアメリカ小売業の実態でした。

 今、大変な実験が日本でも行われています。ユニクロがビックカメラと一緒の売場を作ったのです。「ビックロ」と言うそうですが、ユニクロの衣料とビックカメラの家電との組み合わせです。衣料は身に付けるもので、家電は家に付随したものです。最近では、モバイルということで携帯電話、PC、カメラ、ゲーム機など、持って歩けるものもあるのですが、基本的には家に付随するものです。

 アメリカの老舗チェーンストア、シアーズは、現在の売場の常識を作りました。まずは、大きくホームとファッションとの2つのフロアに分けます。2層の店舗が多いのですが、その場合、1階はファッション、2階はホームという構成です。1フロアの場合でも、2つの境は明確になっています。そのフロアの中は、カテゴリー、ライン、ユニットなどのように商品の組み合わせに決まりがあります。ビックロの実験は、こうした考え方を超えたもので、それだけ結果が注目されるのです。

 売場づくりの革新では、これまでカテゴリーの重要性が強調されていました。カテゴリーとは、T(時)、P(場所)O(場合)、S(スタイル)によるものです。日本の伝統的小売業であった業種店が産地やメーカー、素材による売場づくりであったものを消費者の用途によって売場づくりをしていこうというものです。台所で使うものはキッチンの売場に、お風呂関係はバス用品の売場でと言った考え方です。

 商品を組み合わせる時、大きく2つのことが考えられます。一つは、関係する商品の組み合わせです。例えば、お肉の売場にワインを置くとか、お鍋の売場にポンズを置くとか、いちごの横に先割れスプーンやミルクを置くなどといったものです。業界ではクロスマーチャンダイジングと言って、売上高を増加させるためには大切な考え方です。ビックロでも出来るだけ関係性を考えて陳列をしているようです。

 もう一つは、定番(売れ筋)と見せ筋という考え方です。商品には、可視率が大切です。動きが悪くても、お客の目に付く場所にあれば、何かの機会に買ってくれるかも知れません。また、シーズン前に見せておけば、シーズンが到来した時に購買に結びつきますし、新製品であれば、直ぐに購買につながらなくても、見て試して知ってもらうことでその後の購買につながります。その意味では、どんな形であろうが、お客の目に触れることは、重要なのです。

 商品には、購買頻度という考え方があります。購買頻度とは、消費者がどんな間隔で買物をするかと言うことです。例えば、毎日食べる食品は、もっとも頻繁に買物をします。特に日持ちの悪い生鮮食品などは、毎日でも買物しなくてはなりません。逆に応接間のソファや寝室のベッド、自動車などは、古くなるまで買い換えません。買い換えようと思っても、じっくりカタログを見たり、ショールームへ出かけて実物を見たりして時間が掛かります。テレビ、洗濯機、エアコンと言った家電製品も同様です。

 衣料と家電のほとんどは購買頻度が明らかに異なります。衣料はシーズンで売れても、家電はそうはいきません。しかし、冒頭で述べたように、結果がどうなるかは、やってみなければ解りません。良い結果がでるか、見込み違いになるか、やる力があればやったもの勝ちということもできるでしょう。そうした意味でビックロの実験の意味は大きいし、注目に値すると思うのです。
スポンサーサイト

テーマ:ビジネス - ジャンル:ビジネス

コメント
この記事へのコメント
山村正の一言発言
これは驚きました!
2012/11/30(金) 17:12:09 | URL | 山村正 #mQop/nM.[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。