小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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寡占化するフランス小売事情

オーシャンのハイパーマーケット

 フランスは、大型店のシェア率(占拠率)の高い国です。スーパーマーケットの上位5社の市場占拠率を見ると、イギリス、スウェーデン、ベルギー、ポルトガルなどと並んで80%以上のシェア率になっています。大型店の規制が厳しいと言われていますが、ラファラン法が成立して以来かえってシェア率は高まっているのです。その理由は、M&A(合併・買収)が増えたためです。大型店規制に危機感を持った大チェーンがM&Aや海外進出に走ったのは当然のことと言えます。

 日本の市場占拠率は、どうしても曖昧な点が多くなります。その原因の一つは、業態が不明確なことです。扱い商品の境界線が曖昧なこととヒット商品をどの業態でも扱い始めることなどが主な原因です。従って、大まかな業態別という形で見るしかありません。そうした点を考慮して上位企業の業態別の占有率を見ると総合スーパー3社で60%、6社まで入ると81%、スーパーマーケットは10社で18%、61社で50%、コンビニエンスストアは2社で50%、6社で80%、家電専門店は18社で81%、ドラッグストアは50社で80%、ホームセンターは28社で80%となります。これは、2003年の各社の会計報告から割り出したものですが、どの業態でもフランスやイギリスなどより上位集中が進んでいないことが分かります。特にスーパーマーケット、ドラッグストアなどは、顕著です。

 フランスの小売企業のトップは、日本にも上陸したことのある、あのカルフールです。売上高は世界小売業ナンバー2に当たる、およそ11兆円になります。ちなみに1位は、ウォルマートです。ウォルマートは、30兆円を超す売上を上げていますので、カルフールが2位と言っても、その差は大きなものがあります。フランスで2位はオーシャンです。オーシャンは、およそ5兆円弱の売上高ですからここでも1位と2位の差は大きいと言えます。3位はルクレールでおよそ4.5兆円です。4位はインターマルシェでおよそ4兆円、5位はカジノでおよそ3.5兆円、その後ナショナール、PPR、LVMH、アデオなどと続きます。

モノプリと同じカジノグループの傘下のフランプリックス

 注目すべきことは、アデオまでが1兆円の企業だと言うことです。特に4兆円以上の企業が4社あります。日本は、セブン&アイ・ホールディングとイオンの2社だけで3位のヤマダ電機は、2兆円まで下がってしまいます。世界の小売業ランキングを見ると、フランスは50位以内に8社が入っているのに対して日本は4社にしかすぎません。ちなみにアメリカが18社、ドイツが6社、英国が日本と同じ4社となっています。ただし、日本は50位以下に8社が入っており、100位までで言えば12社とアメリカの32社についで2番目になります。フランスは100位以内でとっても8社ですので、ここでもいかに市場占拠率が上位に集中しているかが分ります。

 市場占拠率が上がるとプライベート・ブランド(PB)の比率が上がるのではないか、と長く思われてきました。シェア率を背景に大手チェーン企業が、自ら生産に乗り出すようになると考えられたからです。ところが、大手5社のシェア率が80%を超えるフランスは、スーパーの売上高に占めるPBの割合が、22%程度にしか過ぎません。さらに、シェア率100%のノルウェーでも11%強といったところです。100%に近いオーストラリア、ニュージランドは10%、オランダ、デンマークは25%程度です。PBの割合が最も高い国は、80%のシェア率のイギリスで45%あります。2番目は40%のスイス、3番目は35%のベルギーとなっています。小売業の売上高の大きいアメリカは15%、先進国でもっとも低いのはイタリアで7%です。日本は、近年のデフレ基調のなかでPBへの取り組みが盛んになっていますが、それでも10%まではいっていないと思われます。PB比率が高いのは、小売業の寡占化などではなく、製造業の発達など他の要因にありそうです。フランスの小売業は、多くの示唆に富んでいました。
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