小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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フランスは大型店規制の厳しい国

 PAに小型店で出店するカルフール


 フランスは、流通規制が厳しい国です。そのためにどの街を訪れても中小商店が中心で、日本のように大型店は、目立ちません。図式的に言えば、アメリカが規制自由の最右翼で、SCを初め大型の店舗がたくさんあります。一方、フランスは反対側の最左翼にあって、中心街にある大型店は、昔からの百貨店だけです。日本はと言えば、その間にあって右往左往している、といったところです。よく言えば柔軟、悪く言えば優柔不断というのが日本の流通政策です。大店立地法で、大型店規制が緩和されたかと思うと、シャッター通りの解消を理由に都市計画法を改正し、2009年には規制を厳しくしています。

 フランスには、1973年に作られたロワイエ法という法律がありました。この法律は、大型店舗の脅威から中小商店を守るものです。自動車を持てない高齢者や大型冷蔵庫などを持てない人を守るために大型店と中小店のバランスを取る、というのが法律の趣旨です。この法律では、人口4万人未満の基礎自治体では1000㎡、4万人以上では1500㎡以上の新設や既存店舗が売場面積を200㎡以上拡張する場合を許可制にしています。さらに、1996年に制定されたラファラン法では、延べ床面積300㎡以上の新築、増築及び用途変更に許可が必要になっています。

 日本では、1973年設立の大店法で許可制から届出制になりました。実際は、商調協による調整や事前審査によって届出制と変わりなかったのですが、建て前は、許可制になりました。ところが、フランスでは、相変わらず許可制が続いています。しかし、日本の許可制とは、実態はかなり違うようです。日本の場合一度認可されないと、二度と許可願いを受理されることはありません。ところがフランスでは、店舗を出したいと思うところに何度でも同じ許可願いを出すということです。毎年願書を出し続けて、30回近くで、何とか出店できたという例もあるそうです。時代の変化と許可に対する意識の違いということが感じられます。

 大型店の出店が難いことがフランス小売業に大きな影響を与えています。一時は日本にも上陸したフランスのカルフールは、ウォルマートに次ぐ売上高世界小売業ナンバー2の小売業です。08年の成績は、870億ユーロ(約11兆円)ですが、フランス国内が43.4%、その他が56.6%と国内よりも海外の売上高のほうが上回っています。ちなみに、日本に上陸した店舗は撤退して、今では店名も残っていません。しかし、売上高は他の国で相変わらずしっかりと上げているのです。カルフールは、1963年にハイパーマーケットという新しいフォーマットを開発して大旋風を巻き起こしました。ハイパーマーケットは、超大型の店舗といった意味ですが、これが大型店規制の原因の一つになってしまいました。そこで、国外をあきらめて海外へと市場を拡大したのです。


モノプリも小型店モノップを展開


 国内での店舗拡大のためにフランスでは小型店の出店が盛んになっています。パリで最も多くの店舗を持つモノプリは、モノップという小型店を展開しています。モノプリ自体、さほど大きくないのですが、モノップは、300㎡足らずの店舗です。日本のコンビニに規模的には似ていますが、日用生活品の店舗として重宝されています。私の泊まったホテルの近くのモノップは、お客で溢れていました。カルフールもフリーウエイのパーキングエリアで小型の販売店を出していました。こうした出店戦略を取らなければ、国内では店舗を増やすことが出来ないのでしょう。

 規制の厳しさは、フォーマットの多様性に影響します。規模が限定されるために、打つ手が限られてしますのです。従ってフランスは、フォーマットが日本以上に少なくなっています。だからモノップのような日用生活品を小規模で扱うような店舗が成立するのです。これでは、多様化した消費者に対応できないことは明らかです。中小店の保護を強化するか、それとも多様な選択肢を確保するか、アメリカとフランスの違いは、ここにもあるようです。
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