小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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パリでもファストファッション3社の戦い
お客をたくさん集めていた


 「オペラハウス周辺は高級専門店街」と前回書きましたが、今や高級専門店ばかりが集まっているわけではありません。日本の銀座と同様に、新しく人気を得た専門店が次々オープンしています。その代表例がH&M(ヘネス&モウリッツ)、ザラ、ユニクロなどです。H&Mは、スエーデンに本社を持つ専門店であり、ザラは、スペインのインディテックスの傘下にある専門店、ユニクロはもちろん日本のファーストリテイリングの傘下にある専門店です。日本でもフランスでもこの3社が一等地で鎬を削っているような状況なのです。グローバリゼーションという言葉がありますが、正にその象徴が世界都市で行われているこうした競争だといえます。

 ユニクロのパリ店がオープンしたのは、昨年の10月1日のことです。ちょうど老舗百貨店、ギャラリーラファイエットの斜前辺りの歴史的建造物に面積約2100㎡、地上1、2階、地下1階の売場を作っています。H&Mやザラは、すでにヨーロッパのあちこちに出店して知名度が高いのですが、ユニクロはまだ新参者です。そこで、現在周囲に広告を付けたバスが市内を走り回っています。店内にはたくさんのお客が見られましたが、H&Mなどとの価格競争は厳しいものがあるようです。

 世界の衣料専門店を比較すると、売上高ではザラのインディテックスがトップになります。2009年のデータでは、およそ1兆3600億円。2位は、米国のギャップでおよそ1兆3000億円、3位がH&Mでおよそ1兆1300億円です。ユニクロのファーストリテイリングはリミテッド・ブランドに続いて5位になりますが、売上高は、およそ6900億円ですからトップとかなり水を空けられています。日本的サービスや特異なマーチャンダイジングポリシーが、世界中のお客にどう受け止められるか。差を埋めるのはそこにかかっているといえます。

 総店舗数で見てもインディテックスがトップで、4200店超あります。H&Mは約1700店、ユニクロは900店弱というところです。店舗数の違いは、出店国の違いにあります。ザラやH&Mなどは、すでに多くの国に店舗網を作っているのですが、ユニクロは中国、韓国、シンガポール、英国、米国、フランスの6ヵ国だけです。世界中に張り巡らされたヨーロッパの専門店グループ網に後発のユニクロがどう伍していくのか、これからが本番です。

 ユニクロにとって海外での戦いだけではありません。本拠の日本の守りも重要になります。海外組みがすでに上陸しているのです。ヨーロッパ組みで日本にもっとも早く進出したのは、ザラで、1998年のことです。店舗数もすでに50店に達しています。H&Mは、2008年のことで、まだ10店舗に届きません。他にもアメリカのギャップ、フォーエバー21やイギリスのトップショップなどがあります。

古い建物にオープン

 最近、急速に拡大しているファッション専門店を「ファストファッション」と総称することがありますが、H&Mやザラとユニクロとのマーチャンダイジングは、明らかに違います。ユニクロは、フリースやヒートテック、ブラトップ、Tシャツに代表されるように衣料のなかでもベーシックなものを大量に販売していくという手法です。男でも、女でも、年齢を超えて誰でも買えるものを狙っています。ファッションのパーツの一つで、他と組み合わせて使用するもの、といった考え方です。一方、H&Mやザラは、次々に新しいファッション商品を提供します。流行が下火になったと思ったら、直ぐに切り替えます。その変わり身の早さがファストファッションと言われる所以でもあるのです。ユニクロの手法が日本のお客に通用したようにどこまで世界に通用するかが成功の大きなポイントになるでしょう。
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