小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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ローソンとマツキヨ提携の課題
ローソンとマツキヨ提携

 コンビニ業界で売上高第2位のローソンとドラッグストア業界第1位のマツキヨが業務提携をすることになりました。年内に共同出資会社を設立して、300㎡ほどの新型店舗を展開していくということです。改正薬事法によってこれまで店舗に薬剤師がいなければ販売できなかった薬の多くが登録販売者という資格を持つ人を置けば扱えることになります。そこで、薬を上手に取り込むことが多くの小売企業の課題になっていたのです。

 コンビに業界では、これまでイオン系のミニストップの活動が盛んでした。グループにあるドラッグストア連合のグローウエルホールディングスと組んで、ドラッグストアの中にコンビニコーナーを作るという試みをしています。セブン&アイもアイン・ファーマシーと提携してこの分野に参入するとしていますが、コンビニとの連携は方向がまだはっきりしていません。

 コンビニで薬が買えるとなるとかなり便利になるように思われますが、課題も少なくありません。2つの業態をそのまま合わせればそれで良とするような、そんな簡単な話しではないのです。課題の第一は、立地問題です。300㎡位の新型店舗ということですが、その位のドラッグストアは、郊外に行けばたくさんあります。スーパーマーケットとドラッグストアが隣接したショッピングセンターが近くにあるということになれば、コンビニとドラッグが組んでも勝負にはなりません。従って出店場所は、首都圏とか駅前ということになります。しかし、これまでも駅前にコンビニとドラッグストアがあるのは、よく見かけるところです。どれだけ出店の余地が残され、より便利さを提供できることになるのでしょうか。

 第2の課題は、販売員の問題です。これまでコンビニは、アルバイト要因などで運営してきました。ところが、ドラッグストアは登録販売者がいなければなりません。その上、ある薬については、登録販売者の説明が必要とされる場合があります。アルバイトをすぐに登録販売者にすることは不可能です。また、コンビニは、24時間を最大に、長時間営業が売り物です。この営業時間帯常に登録販売者を置いておかなければならないのです。マツキヨが登録販売者を送るようですが、当然、登録販売者は正社員ということになるでしょう。この人件費は余ほど上手く吸収しなければ大きな重荷になってくると思われます。

 第3の課題は、扱い商品の問題です。惣菜を中心に直ぐ食べなければならない商品を扱うコンビニと何時お客が買いに来るか分らない薬を中心に扱うドラッグストアでは、商品の回転率が違います。2つの業態を組み合わせるということは、回転率が変わるということになります。1+1=2ではないし、2で割って平均値を求めれば良いと言う物でもありません。つまり、まったく新しい業態として考えなければならないわけです。アメリカでは、以前スーパーとドラッグストアを組み合わせた業態が生まれたことがあります。また、それぞれの業態で薬を扱うことはあります。しかし、ドラッグストアとコンビニが組み合わさったものは、聞いたことがありません。どんな業態が生まれるのか、いずれにしても時間は掛かりそうです。

 第4の課題は、物流問題です。前述のように、扱い商品の回転率が異なりますので物流の頻度も変えなければなりません。コンビニは、セブン-イレブンに見るように商品補充のために、1日3便という多頻度配送をしています。ドラッグストアは、週に2、3回になります。これをそのまま単純に組み合せたのでは、効率は低下してしまいます。コンビニに合わせて配送することになるのでしょうが、これも時間が掛かりそうです。

 第5の課題は、品揃え問題です。現在のコンビニとドラッグストアでは、雑貨などにダブル商品が少なくありません。これを一元化しなければ、組むメリットも少なくなります。また、薬関係の雑貨もありますし、これをどう整理するのかは、これまで付き合ってきた問屋や関連業者も含めて大変難しい問題です。品揃えでポイントになるのは、既存の業態との差別化であり、業態のポジショニング(位置づけ)です。既存業態とどう違うのか、お客に必要性を認めてもらって買い分けてもらえるか、ということです。“便利性”だけで売れる薬が一体どれだけあるでしょうか。一見便利になるように思われますが、ハードルはそんなに簡単ではないようです。
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