小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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コンビニにも広がった価格競争の意味
激化する価格競争
価格競争に拍車がかかっています。大手スーパーからついにはコンビニエンス・ストア(コンビニ)、フードサービスまで値下げを始めました。大手スーパーではジャスコが、真にお客に目を向けていなかった、として新聞に反省広告を掲載した上で、値下げを宣言しました。イトーヨーカドーは、下取りセールと称して衣類や雑貨などの下取りをしたり、値下げを行っています。この流れは食品スーパーにも広がっています。コンビニも例外ではいられなくなりました。

 お客は、どんなことでお店を選んでいるのでしょうか。大きくは3つのニーズと言われています。第一は、ディスカウント(安さ)のニーズです。同じものであれば少しでも安く買いたい気持ちは誰にでもあります。第二は、コンビニエンス(便利さ)のニーズです。近くにある、売場が手ごろで分かりやすい、などは大きな買物理由となります。あとの一つは、スペシャリティ(専門さ)のニーズです。選び抜かれた商品が売られている、商品知識に長けた販売員が居る、接客サービスが良いなどで店を選ぶことは、良くあることです。

 アメリカに『コンシューマ・レポート』という有名な雑誌があります。雑誌といっても面白い記事があって、いろいろな広告が載っているというものではありません。非営利団体がさまざまな商品を消費者の視点でテストしたり、アンケート調査したりして、その結果を掲載する雑誌です。そのため、誤解を受けないようにスポンサーを一切受けないでやっています。強いて言えば、スポンサーは雑誌を買ってくれる消費者です。「そんなことでやっていけるのか」とお思いでしょうが、この姿勢が支持され50年以上も続いているのです。その権威が車や消費財を買うときに参考にされるケースは少なくないようです。

 『コンシューマ・レポート』では、何年かに一度スーパーマーケットの評価ランキングを掲載しています。前回は、2006年10月号ですが、今回2009年5月号で掲載しています。ランキングのベスト10はほとんど変わっていません。上位は、1位ウェッグマンズ、2位トレーダージョーズ、3位パブリックス、4位レイリーズ、5位ハリスティーターといったところです。このレポートでは、1.サービス、2.ペリシャブル(鮮度)、3.プライス(価格)、4.クレンリネス(清潔さ)の4つが選択の評価基準になっています。他の経営雑誌でアソートメント(品そろえ)、コンビニエンスなどが加味されたランキングを見たことがありますが、消費者視点で言えばこれで十分ということでしょう。

 アメリカには、さまざまなフォーマット(業態類型)があります。スーパーマーケット、ディスカウントストア、ドラッグストア、ゼネラルマーチャンダイズストア、デパートメントストアなどがその代表的なものです。それぞれ形態も違えば、利益構造も違います。前述のレポートのランキングは、あくまでもスーパーマーケット内でのランキングであって、フォーマットを横並びに単純に比較することはできませんが、消費者は上手に選択して買物をしているのです。逆に言えば、フォーマットが明確でなければ、消費者の選択肢にならなくなってしまう、ということです。

 コンビニが、今回価格競争に踏み切った意味は大きいと言えます。ひとつは、経済の悪化、消費の減退がそれほど酷いということです。100年に一度と言われていますが、正にその言葉を如実に物語るものです。もうひとつは、コンビニとしてのフォーマットの確立が十分ではなかったのではないかということです。本来コンビニは、便利さを売り物に成立しているフォーマットです。身近にある、長時間営業している、売場の規模が小さくてすぐに買物ができる、といったものです。これらが他のフォーマットよりも飛び抜けているからこそ高い荒利を確保することができ、フランチャイズという契約も成立するのです。言葉を換えると、コンビニは、ディスカウントやサービスで成立するような構造にはなっていないということです。

 コンビニの今回の値下げは、構造を崩してまでやらなければ消費者離れが食い止められないほど酷いものだということです。
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