小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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間違いだらけのネイバーフッドSC③ 本ものだけが生き残る
個々のテナントが力を付けなければならない。

 NSCにとってショートタイム・ショッピングは、重要な条件です。お客は毎日の買物を出来るだけ短時間で済ませたいと思うからです。大型SCでは、逆にゆっくり時間を掛け、楽しみながら買物をしようとします。従って、大型SCは、滞店時間が長ければ長いほど居心地のよいということになります。結果、客単価は上がり、売上高が増えます。NSCでは、滞店時間が長くなればなるほど余計なものを買うことになり、結果、お金の掛かるNSCとなってしまいます。そこで、いかに目的のものが短時間に買って帰れるかが重要になるのです。何でもかんでも大きければ良い、商業集積が多い方が良い、店舗面積が広い方が良いなどという考えは、お客の視点とは言えないのです。

 商店街がショッピングの主流であった頃は、毎日の買物は商店街が支えていました。また、GMS(総合スーパー)が毎日の買物を担っているところもあります。だからといって、この2つがあれば良いと言うものではありません。確かに、小さかった頃に味わった商店街の人のぬくもりや面白さは、今思い出しても懐かしいものがあります。あのときがあれば、NSCは必要がないのかもしれません。GMSにしても、買い回らず、商品も自由に選べて合理的な買物ができます。しかし、だからといってNSCが必要でないという理由にはなりません。機能は同じだから、NSCは前者の隙間を埋めるものになる、などという考え方はまったくの勘違いです。

 アメリカの学者でマクネア(マルコムP.マクネア教授)という人がいます。彼は「小売業の輪の理論」で有名な人です。すでにご存じのことと思いますが、簡単におさらいをしておきます。小売業は、車輪のようにくるくる回りながら発展している、というものです。実は、この理論は“ディスカウント(安さ)”を中心にして展開しています。新規参入企業は、当初ディスカウントを武器に成長するが、次第に人件費や設備費などコスト高になって、安さが提供できなくなる。その間隙を突いて、また新たな企業が参入し、新旧入れ替わることになる。こうして次々に交替があって進歩・発展する、というものです。

 この場合の価格は、価値と言ったほうが良いかもしれません。価格も含めた買物の合理性が、新旧の交代を生み、進歩を促進するからです。人間にとって本当に良い方向に向かっているのかどうかはともかくとして、“進歩・発展”するのです。日本の小売業の歴史を見ても、百貨店がダイエーなどのGMS(総合―パー)に抜かれ、GMS(総合スーパー)がユニクロやしまむらなどに代わられる、といったことでも解ります。問題は、螺旋状に進歩、発展したものは、後戻りできない、ということです。NSCが商店街やGMSに代わったら、もはや後に戻るということはないのです。既存の業態で十分であるから新しい業態は生まれない、という考えも大きな間違いです。

 すでにあるNSCのなかには上手くいっていないものも少なくありません。だからと言ってNSCは増えないという論理も間違いです。上手くいかない原因が商業施設の変遷にあるのではなく、別の所にあるからです。一つは、デベロッパー不在、ということです。核店のスーパーマーケットやホームセンターなどの企業が、敷地の広さを埋めるためにNSCを作っていることがあります。この場合、どうしてもテナント構成や費用の割り振りにいい加減な面が現れます。核店企業に有利なように保証金や家賃、共益費などを決めてしまうのです。これでは、NSCがまとまるわけはありません。また、地元の不動産屋が仕切っているケースがあります。不動産屋にとっては、何よりもテナントを集めることが重要ですから、テナント・ミックス(どんな業種でテナントをまとめるか)は二の次になります。これでは強いNSCができるはずはありません。

 核店が弱いために上手くいかない、という場合もあります。近くにある安くて、鮮度の良い食品を売るスーパーマーケットに負けているのです。その力の無さをNSCという集積でカバーしようとしても駄目です。スーパーマーケットの水準を少なくてもある程度まで上げなければお客は来店してくれません。NSCに限らず、SCはテナント1つ1つの経営力が強くなければならないのです。弱いものが団結しても強いものに勝てる、というわけではないのです。弱いものは団結したら、勉強して自分の力を強くしなければならないのです。商店街は、今や歯抜けで団結が難しい状態です。NSCは、その団結の第一歩と言うこともできるでしょう。

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