小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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間違いだらけのネイバーフッドSC② 競争は無視できない
SCの競争が活力を生む
 小売業に関わらず、自由経済には競争は付きものです。特に店舗数が多く、お客の評価を直に受ける小売業は、常に厳しい競争に曝されています。アメリカでは、“カット・スロート・コンペティション”(喉を噛み切るような競争)という言葉で小売業の厳しい競争を表現しています。しかし、小売業では、この競争が活力になって、お客の変化に即応し、新しい業態を生み、新しい企業の登場となっていることは明らかです。ところが、この競争を無視した議論が多いのです。これが私の第3に気になることです。

 アメリカの生活必需品マーケットは、現在3つの勢力が競争を繰り広げています。一つの勢力はNSC、もう一つはスーパー・センター、そしてライフスタイル・センターです。これまでNSCは、自らのマーケットである近隣を守ってきたのですが、最近では価格の面でスーパー・センターに、クォリティ(質)の面でライフスタイル・センターに奪われるようになりました。これまで圧倒的に高い市場占拠率を誇ってきたNSCも、急激に力を失っているのです。しかし、見方を変えればこれまで安定の上にあぐらをかいていたNSCにも変化が求められていると言うことです。手をこまねいていては、やられるばかりですから、逆襲のための工夫をしなければならないのです。換言すれば、これが新たなエネルギーとなり、よりお客に近づいた小売施設の登場となるのです。

 日本の場合、NSCの本格的な時代がこれからであることは明らかです。その中身はアメリカと違うとしても、新たな近隣型商業施設(SC)が生まれるということです。もし、それが既存の商業施設に変わらないとすると、お客はどんな革新を小売業に期待すれば良いのでしょう。アウトレットセンターが出来るより、NSCが出来る方がずっと重要なのではないでしょうか。すでに日本には商店街があるではないかとか、SMやドラッグストアの単独店や専門店の単独店で十分ではないか、といった議論は競争をまったく無視している、と言わざるを得ません。もし、近くにNSCが出来、競争相手がそこにオープンした場合、お客を奪われるのは目に見えています。競争を考えれば、相手が出る前に今の店を閉めて、NSCに移るか、少なくとも最初からSMの近くに出店しておかなければならないでしょう。単独より集積の方が有利なことは明らかです。

 気になることの第4は、SCをブームとして捉える議論です。お客の生活の変化に合わせてSCも変化はします。しかし、本来は生活に根ざしたインフラストラクチャー(生活基盤)であって泡のように消えてしまうブームではありません。たしかにオープン時には、大型SCが登場した、アウトレットセンターで若者を集めているなどと話題を集めますが、新しいからであって、その後は生活の一部にビルト・イン(組み込まれる)されることになるのです。特に地域密着のNSCは、その意味合いが強くなります。アメリカでは、SCの過半数はNSCですが、もしこのNSCが無くなってしまうと消費者は、大変不便を強いられることになります。アウトレットセンターや大型SCが無くなるのとはわけが違うのです。「NSCが次の時代の花形だろうか」などと言うのは、小売業の本質を理解していない見方なのです。

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