小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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間違いだらけのネイバーフッドSC①
 ど
 SCを問題にするとき、第一に気になるのは、どういうタイプのSCが取り上げられているのか、ということです。ファッションやライフスタイル性の強い、広い商圏からお客を集めるSCなのか、それとも生活必需品を中心にして近隣の狭い商圏のSCなのか、が明確でないことが多いのです。明確でないというよりも混同している、と言った方が正確かも知れません。

 例えば、SCが急速に増えているのに売上げは上がらず、坪効率は損益分岐点近くまで落ちている、という論調があります。日本ではSC協会のデータが唯一のものなので仕方がない面もありますが、ほとんどが都心の駅前と地下街、郊外でも大型SCのデータばかりです。このデータも今年中には3000ヵ所近くになるであろう、と言われていますが、このデータをもってあらゆるタイプの結論にするのは、いかがなものでしょうか。

 たしかに、消費は不振で、小売企業の売上げも、利益も落ちている状況です。全般的な傾向ですから、結論は間違いないでしょうが、それはSCだからでしょうか。さらにすべてのタイプに当てはまることなのでしょうか。どの時代でも倒産する店があるし、繁盛する店もあります。SCも同じように繁盛しているSCがあるはずです。実際、直近(08年3―5月)の小売企業の業績をみると百貨店やGMS(総合スーパ)が悪いのに対し、SM企業が良い成績を上げています。

 大型店の業績が悪い理由は、衣料と雑貨関連の苦戦です。これをSCに拡大して想定すると、大型店が核店となっているSCは、苦戦が考えられるし、SMが核店のNSCは少なくても業績が落ちていないということになります。もちろん、これからますます外部環境は悪くなりますので、NSCの業績も悪化は免れないと思いますが、大型SCよりは安定していることは明言できると思います。いずれにしても、SCを一括りにして話を進めるのは、何の意味もありません。

 第2に気になるのは、時間の経過を無視している議論です。例えば、前述の「坪効率は損益分岐点に近くなっている」ということですが、ここにはすべてのSCのデータが入っています。SCのなかには、すでに減価償却を終えてしまった物件もあるでしょうし、競争相手が出来たためにお客を奪われてしまったSCもあります。当然、坪効率は落ちるわけですが、こうしたSCもデータのなかには入っています。

 私の家の近くにもオープンして20年ほどになるSCがありますが、核になっていた店舗が倒産してから、テナントが次々に入れ替わり、今では物販は歯抜けで、パチンコホールやスポーツ施設などで保っている状態です。立地も、敷地も、テナントも、レイアウトも良くないし、20年間保ったことのほうが不思議なくらいです。さらに、地方都市でも実態はファッションビルのような「SC」が、空きスペースになっている、という話を聞いています。こうしたSCは、大店立地法施行前にオープンした、間に合わせのSCで、すでに役割を終えているものです。ところがすべて一緒に語られているのです。時間の差を考慮せずに、平均でものを考えることの落とし穴がここにはあるように思うのです。
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