小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
SCのなかでもNSCが最も多くなる理由
カインズモール常滑
 日本のショッピングセンター(SC)は、アメリカ小売業をモデルにして作られてきました。その1号店は、1948年にオハイオ州コロンバスに創られたタウン&カウントリーと言われています。創った人は、ドン・カストーという人で、そのSCの核店は、バラエティストア(VS)のクレスゲとGMSのJCペニー、それにスーパーマーケットのクローガーでした。VSのクレスゲは、その後ディスカウントストア(DS)のパイオニア企業となったKマートのことです。ミラクルマイルスの別名で呼ばれるようになるタウン&カントリーはその後大繁盛し、全米の注目を集めました。そして核店もナショナルチェーンに成長していきます。

 アメリカでは、現在4万5000カ所を越えるSCがあります。2004年のデータ(2007年からデータの取り方が変わっている)では、このうち62%がNSC,33%がコミュニティSC(CSC),4%がリージョナルSC(RSC),1%がスーパーリージョナルSC(SRSC)となっています。人間がもっともお金を使う毎日の生活に欠かせない分野を扱っているわけですから、NSCが多いのは当然の結果です。日本では、こうしたデータがありませんので数字を挙げることはできませんが、SMとドラッグストアが一緒に出店しているケースや敷地は違っても近くに出ているケースなども含めるとかなりの数のものがあるのではないかと思われます。もちろんこれらがすべて厳密な意味でNSCというわけではありませんが、同じような機能を担っていることは間違いないと思います。

 日本の場合、NSCの大きな問題はデベロッパーの不在です。最近、デベロッパーは増えていることは増えているのですが、大型SCの開発ばかりで、NSCのような小さな開発にはなかなか手を付けません。デベロッパーにとっては、小さなものをやるよりも大型SCの方が儲かるわけですから、やむ終えないことかもしれません。そこで地元の不動産屋やSMなどの企業が直接開発に関わるというケースが増えてしまうのです。その結果、テナントの保証金や共益費などでトラブルが多くなります。デベロッパーも兼ねる核店が、開発の負担をテナントに負わせてしまうのです。気持ちを一つにして動かなければならないSCで、こうしたトラブルは致命的です。NSCは成功しない、と言われるのは核店とテナントとの確執が大きいのではないかと思います。SCとしてスムースに運営していくためには、核店もテナントも平等の基準に従って運営されなければなりません。利害関係を持つものが主導権を持つのではなく、第3者のデベロッパーが必要なのです。

 SCのなかでもNSCの数が断然多くなるのは、生活必需品を扱っているというだけではありません。建築コストやオペレーション・コストが安いのです。つまり、投資コストが掛からないのです。大型SCの場合は、規模にもよりますが、大変な費用が掛かります。これを回収するためには、テナント料も高くしなければなりません。しかし、NSCでは、投資コストが安い分だけ、テナント料も安くできるのです。テナント側から見ると、コストが安くなった分だけ、価格競争力を強くすることができます。生活必需品で構成するNSCにとっては、強い価格競争力は命綱です。そして1円でも安く売るNSCは、当然お客も多くなり、NSC自体の評価も上がるのです。
スポンサーサイト

テーマ:ビジネス - ジャンル:ビジネス

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。