小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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急速拡大のトルコ小売業を見る
トルコ・ミグロ トルコは、ヨーロッパとアジアの結節点にあります。ノアの箱舟がたどりついたとされるアララト山や古代のヒッタイト帝国、トロイ、ローマ、オスマントルコなど数々の遺跡が残っています。どこを掘っても遺跡だらけで、世界史の変化に深く関係している国です。様々な勢力に征服され、歴史に翻弄された地域でもあります。それだけに国としての求心力があまりア強くありません。他国への依存度が高く、1923年にトルコ独立までは国としての統一感も薄かったようです。今でもエルトールル号難破の話を教科書で伝えているほど親日的です。ボスフォラス海峡に掛けた橋の中には日本の企業によるものもあります。2011年に完成した海峡横断鉄道トンネルも日本の建設会社によるものです。

 トルコの小売業は、成長段階で、まだ十分な発展を見せていません。零細家族小売業が多く、近代的小売業は総売上高の40%ほどとなっています。それも他国から進出してきた企業が多いのです。他国に頼った方が、早く、良いものが手に入ると判断すると、直ぐに他国のものを導入するというのがトルコの一つの特徴のようです。日本であれば時間を掛けてじっくりと産業を育てようとしますが、トルコはそうしたこだわりがあまりないようです。その例の一つが車産業です。最近ではトヨタ車も走っていますが、ベンツやベンベー、オペルといった欧州車がほとんどです。昔はトルコ車もあったようですが、今は無くなってしまったのです。

 日本車は、まだあまり走っていませんが、現地の人の話では、故障も少なく性能も良い日本車を手に入れたいと思っている人は多いいが、価格が高い、とのことです。トヨタは、1994年にサカリヤ県というところですでに車の生産を始め、昨年(2013年)には増産体制に入っているので日本車はこれから増えていくと思われます。しかし、トルコにはトヨタだけでなく欧米車の工場も多いので、どのように戦っていくかは今後の課題です。流通業も車と似たような状態です。日本の企業は良品計画くらいで、まだあまりありませんが、様々な国の企業が進出しています。

トルコ・キパ トルコに進出している企業には、総合スーパーでは、フランスのカルフール、イギリスのテスコ、ドイツのメトロなど大手3社、スーパーではイギリスのマークス&スペンサーなどです。テスコは、2003年にイズミール地方のキパというスーパーを買収してトルコに進出しましたが、思ったような業績を上げられず、今年(2014年)の2月には撤退を模索しているというニュースが流れました。テスコは、イズミールからイスタンブールに拡大したかったようですが、思うようにいかなかったのがつまずきの大きな原因ではないかと思われます。

 スエーデンのイケア、H&M、スペインのザラ、ホンコンのドラッグストア「ワトソン」、イギリスのホームセンター「キングフィッシャー」、家電の「ディクソン」、服飾の「ネクスト」フランスのホームセンター「アデオ」、ベルギーのC&A、アメリカのギャップ、ドイツのホームセンター「バウハウス」など。プラダ、ルイビトン、エルメス、ディオール、シャネルなどの高級ブランドもあります。様々な国から、様々な企業が進出しているのです。それに対して、トルコ資本では、ミグロ、ビム、キラー、エスオーケー、サナー、コリンズ、マヴィといった企業があります。

トルコ・バウハウス
 トルコ本拠の企業では、ミグロとビムが2大勢力です。ミグロは、1954年にスイスのミグロス(Swiss Migros Cooperatives Union)とイスタンブール・ミュニシパリティ(Istanbul Municipality)の共同事業としてスタートしました。スイスのミグロスと言えば、世界で初の共同組合によるスーパーマーケットとして有名です。このミグロが1975年には、トルコのコチ(Koc)グループに買収されて100%完全なトルコ企業になりました。2010年度には、国内38都市に450店舗展開の規模です。

 ミグロは、2000年度に売上高10億ドルを超え、その後、毎年年率25%の売上高の伸びを示しています。この高い成長率を評価して2008年にはイギリスのムーンライト・キャピタルが買収しました。価格は、約32億ドルで、トルコでは過去最大のレバレッジド・バイアウトだったそうです。ところが2012年には、ウォルマートがミグロの買収を検討しているという噂が流れました。ウォルマートに付いては、2006年にもミグロがロシアで展開しているラムストアを買収するのではないか、という噂がありましたが、今のところ表面化していません。高成長を続けているだけにこれからも目が離せない企業です。

 BIM(Birlesik Magazalar A.Sビシュレジッキ・マーザラージ)は、トルコのトップ企業です。デロイトの世界小売業ランキングでも2011年度49億ドルの売上高で185位にランクされています。食品 と生活必需品を安く扱う店です。食品を扱っていますが、ミグロのようなスーパーマーケットとは少し違います。小型店舗で品目数は約600に絞ってプライベートブランド商品を中心に販売しています。衣料・雑貨などもありますが、常時扱っているわけではありません。欧米ではこうした業態を“ハードディスカウントストア”と呼んでスーパーマーケットと区別しています。1995年に21店舗でオープンしましたが、2014年にはトルコ全土とモロッコに4000店を展開しています。

トルコ気球 BIMは、ミグロ同様、高成長の企業で2009年にはモロッコに、昨年(2013年)にはエジプトに進出しています。いずれも2013年度にはモロッコで164店、エジプトでは35店に達しています。今後も急速に店舗を増やしていく予定です。トルコの経済成長を支えているのは、何といっても人口の爆発的な増加です。この成長を継続しようとオリンピックの開催に名乗りを上げ、結局日本に決まったことは、周知のところです。いずれにしても高い成長を狙って本格的な競争が厳しいものになるのは間違いないでしょう。
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