小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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日本にも定着したコストコの勢い

コストコ印西2
 MWC(メンバーシップホールセール・クラブ)のコストコが元気です。7月25日にはつくば店、26日には印西店、8月30日には中部空港店と3店舗を次々にオープンしました。これによって全国のコストコは、19店舗になります。さらに来年(2014年)には、和泉(大阪)、ららぽーと和泉(大阪)、ひたちなか(茨城県)、蔵王みはらしの丘店(山形県)と続々と出店が予定されています。
 
 コストコは、周知のようにアメリカから進出してきた企業です。海外から進出してきた企業、特に大型店舗の場合は、フランスのカルフールを初めとして日本では上手くいかないというジンクスのようなものがありました。しかし、コストコにはまったく当てはまらないようです。コストコは、日本でなぜ上手くいっているのでしょうか。そこにフォーマット開発の大きなヒントがあるような気がします。

 MWCの特徴は、①倉庫形式の低コスト店舗、②メーカー直接仕入れによる低原価、③フォークリフトを使った大量陳列・大量販売によるオペレーション費の削減、④徹底的にコモディティ商品(日用必需品)を絞った品ぞろえ、⑤会員制による会費の徴収などです。このフォーマットを開発したのは、フェドマートというディスカウントストアを創業したソル・プライス氏でしたが、当時の小売業界では革命的なものでした。その当時のアメリカの小売業は、シアーズやペニーといったGMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)をKマート、ウォルマートといったDS(ディスカウントストア)が猛追していました。GMSは、すでに成長力を失っていたのです。

 小売業の主力がディスカウントストアに移っていく中で、MWCの出現は、極めてユニークなものでした。既存のGMSや急成長するDSとは全く違った発想のもとに価格の引き下げを実現したのです。消費者は、会員になれば、無味乾燥な倉庫のような売場ではありますが、安価で商品を購入することができるのです。毎日の暮らしに必要な商品を販売する小売業がすでに飽和状態の中で、完全な差別化を実現し、ポジションを確保したのです。アメリカ小売業が熾烈な競争状況にあることは良く知られていることですが、その競争に巻き込まれることなく、消費者に受け入れられたのです。

コストコ印西3
 コストコは、日本でも同様に成功したのではないかと思います。アメリカのように日本もさまざまなフォーマットの出現によって小売業の競争が激しくなっています。生活必需品のマーケットでは、セブン&Iやイオン、西友、ダイエーをはじめ、スーパーマーケットなども一杯あります。それらの売上高から見れば、もはや参入の余地は無いように思われます。カルフールが撤退し、メトロやテスコが大型店での進出をためらっているのは、正にそのためです。ところがコストコは、新しい選択肢を提供することで成功しているのです。そのユニークさの故に新しいマーケットを創造したのです。アメリカと同じように1つのフォーマットとして日本に定着したのです。

 コストコが日本に上陸したのは、1999年4月のことです。1号店は福岡県の久山町でした。翌年2000年12月には千葉県幕張にオープンし、多くの人に知られるようになりました。1号店オープンから今年で14年になりますが、最近のコストコは、すっかり日本に溶け込んだように思われます。1号店では、アメリカの展開そのままでしたが、最近のコストコは、日本的になっています。日本の消費者の嗜好に適合した形になっているのです。

 日本の消費者の特徴の1つは、買物頻度の高さです。アメリカでは、スーパーマーケットでも1週間に1、2度の買物ですが、日本は3、4度と倍位になります。生鮮品が主体で、1回の買物単位が少ないと言ったことが、原因でしょうが、店に足を運ぶ回数が多くなるのです。コストコの場合、大量陳列・大量販売ですから、全く逆の売り方をしていることになります。そこで最近のコストコは、総合スーパーとかスーパーマーケットの隣、あるいは同じ敷地に出店しています。幕張店ではポツンと1棟だけが経っていたのですが、三郷店ではイトーヨーカドー、つくば店ではカスミ、印西店ではベイシアが隣接するというように立地も変わってきました。

コストコ印西4
 総合スーパーやスーパーマーケットと隣接していると競争に巻き込まれるように思われますが、かえって相乗効果が期待できます。1つは、コストコの強力な集客力によって全体の客数が増加します。大量販売なのでコストコだけでは買物が完結しないお客は、他の店でも買物してくれることになります。また、その商品の他の店での販売価格との比較がし易くなります。例えば、1個300円で他の店で売られているものが、コストコでは10個2000円ということであれば、1個当たりがいかに安いかが解りやすくなるということです。

 店頭在庫の持ち方も変わってきました。日本は、アメリカに比べ評判の良い店にお客が集中する傾向があります。店舗の客数が圧倒的に違うのです。特に生鮮品や日配品では、安いということが解ると多くの人が商品を買います。そのため店頭在庫が少ないと直ぐに欠品になります。それに対応しようと思ったら、補充頻度を上げなければなりません。フォークリフトでの作業ですので、お客が多い時には補充できません。手作業では手間が掛かって結果的にコスト高になってしまいます。そうしたことを解決するために、生鮮食品や日配商品でも多くの商品が売れるような状態を作っているのです。

 これから日本は、経済成長と共に物価上昇が予想されます。価格に対する意識はますます高くなります。コストコにとっては、ますます有利な時代になると言えるでしょう。
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