小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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ドイツの大手小売業の実態

SMの入ったSC

 ドイツの大手小売業は、巨大化しています。その実態については、前回触れたとおりです。日本でもイオンやセブン&アイに見るように資本の集中化は進んでいますが、ドイツは先を行っているわけです。その巨大小売業は、日本でも1企業がたくさんのフォーマットを持っているように、複数のフォーマットを展開しています。展開数でみると、日本の企業の方が多いようです。例えば、イオンは、総合スーパーから食品スーパー、コンビニ、ディスカウントストア、ホームセンター、ドラッグストア、専門店、ショッピングセンターまで万遍なく展開しています。ドイツの大手企業の場合は、もっとお互いに関連性のあるフォーマットに絞られています。

 デュッセルドルフを本拠とする最大手のメトロは、キャッシュ&キャリー、レアル、メディアマーケット&サタン、ギャレリア・カウフホフなど、ドイツでもっとも多くのフォーマットを展開しています。キャッシュ&キャリーは、レストラン、小売業、ホテル、旅館などの業者を相手にしたフォーマットで、卸店のようなものです。登録された会員しか利用することができません。レアルは、家電、本、文具、家庭用品を扱うハイパーマーケットです。日本の総合スーパーのようなものです。メディアマーケット&サタンは、家電小売店で、ガレリア・カウフホフは、デパートメントストアです。

 メトロは、日本にも進出しています。2000年(平成12年)に商社の丸紅と提携し、共同出資の形でメトロキャッシュアンドキャリージャパンを設立しました。2009年には丸紅との合弁を解消しましたが、2009年10月の時点で、首都圏に6店舗を展開しています。2011年末時点の店舗数は9店舗です。利用に際しては食品小売業や飲食業・酒販免許などの営業許可証の提示を求められます。また、営業担当の社員が定期的に顧客を訪問して営業実態を確認するなど、厳密な運用が行われています。こうした厳しい運用のために、店舗数の増加は簡単ではありません。早朝の午前6時からの営業、定休日は元旦のみ、経営相談サービスを行っているのも特徴です。

 どこの国でも見られることですが、大型店が多くなると零細企業と取り引きをしてきた卸店が苦境に立たされます。大型店は、メーカーとの直取引に走り、卸店の出る幕が無くなってくるからです。ドイツでも同じように卸店が減少して、中小小売業者が仕入れに困ることになりました。そうしたニーズに注目してメトロ・キャッシュアンドキャリーは1964年に設立されました。現金、セルフサービスで必要なものを必要な時に購入できるというフォーマットは、中小小売業者にとっては、大変便利なものだったのです。メトロのなかでは、このキャッシュアンドキャリーが最も構成比が高くなっています。

SCの看板
 メトロの次に大きな企業がシュバルツ・グループです。大型ハイパーマーケットのカウフランドとハードディスカウントストアのリドルを展開しています。カウフランドは、日本の総合スーパーのように衣料から雑貨、食料品までフルライン、低価格で扱っています。ハードディスカウントのリドルは、1973年にアルディのコンセプトをまねてオープンしました。ハードディスカウントでは、パイオニアのアルディが売上高ナンバー1ですが、リドルは2番手に着けて追い上げています。出店国数で見るとアルディよりもリドルの方が多いくらいです。シュバルツ・グループは、総合スーパーとハードディスカウントに集中してメトロほど手を広げていません。

 大手企業の3番目になるレーベは、スーパーマーケットのレーベ、ハイパーマーケットのトゥーム、ハ-ドディスカウントストアのペニー、ホームセンターのトゥーム、それに旅行業を手掛けるなど幅広く展開しています。大手の中ではもっとも多角化が行われている企業ですが、中心はスーパーマーケットのレーベで、ハードディスカウントストアのペニーは、アルディ、リドル、エディカに次いで4番目になります。レーベは、1927年から商売を続けているドイツの老舗です。この他にもドイツには、アルディ、エディカ、フランツ・ハニエル&カンパニー、テンゲルマンなど優良企業が揃っています。

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 日本よりわずかに小さく、人口も8330万人(2011年)という国ですが、流通業の発達ということでは、ドイツは日本の先を行っています。日本の流通業は、もっとドイツを研究する必要があると思いますし、世界を相手にまだまだ発展する可能性が日本の流通業にはあるということでしょう。
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