小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
LCCが明示するフォーマットの概念

コストコ新三郷店

 ピーチ・アビエーション、エアアジア・ジャパン、ジェットスター・ジャパンなどLCC(ローコストキャリア)と言われる、「格安航空会社」が増えています。それに伴ってこれまで国際便しか飛んでいなかった空港でも国内便が増えることになりました。羽田に出るより成田の方が便利な私には、有難い限りです。ところでこの「格安航空会社」の利益はどこから生まれているのでしょうか。メディアで取り上げられるときは、いかに経費を切り詰めているかばかりで、この点が良く見えません。利益がなければ、ビジネスを継続することは出来ない筈です。

 小売業経営には、業種(Kind of business)、業態(Type of Operation)、業態類型(Format)という概念があります。端的に言えば業種とは、何を扱っているかであり、業態とはどう扱うかであり、業態類型とはどこで利益を上げているか、と言うことです。従って業態類型(Format)は、ビジネスモデルと同義語と捉えられます。フォーマットの確立がなければビジネスは成立しないのです。

イオン土浦シネコン
 フォーマットの理解には、事例を挙げることが一番です。幾つか以下に事例を挙げてみましょう。第一は、シネコンです。ご承知のようにシネコンは20年ほど前にアメリカから日本に導入されたものですが、すっかり映画館に取って代わってしまいました。もちろん複数の画面を一人の映写技師が放映するなど構造的な面の改革もありますが、ポップコーンやコーラ、映画のキャラクターものなど売店での売り上げが利益に及ぼす影響は少なくありません。売上高の15%以上が売店の売り上げと言われています。さらに商品の粗利が高いので利益に占める割合はさらに大きくなります。

 2つ目の事例は、会員制倉庫販売(メンバーシップ・ホールセール・クラブ)のコストコです。99年に日本に1号店をオープンさせてからすでに10年以上が経ちますが、現在13店舗が各地に展開されています。もともとアメリカで誕生したものですが、倉庫形式の店舗で大量販売で究極の低価格を売り物にしています。低価格の源泉になっているのは、メンバーの会費です。現在個人会員で4200円、法人会員で3675円となっていますが、これがばかになりません。もし平均4000円としても1万人の会員で4000万円、2万人で8000万円が入ります。極端に言えば、たとえ仕入れ値のまま売ったとしても、会費分が利益となるのです。

 3つ目は、美容室のQ&Bです。Q&Bは、1000円カットのパイオニアです。見た目では1000円という低価格でお客の数を増やして売上を上げているように見えます。ところが、実は時間が利益の源泉なのです。Q&Bでは、お客1人15分というのが一つの目安になるそうです。すると1時間、60分では4000円になります。1人1時間という普通の理容室とさほど変わらない売上を上げることになります。

ディズニーランド
 もう一つディズニーランドの例を上げましょう。ディズニーランドも売店やレストランでの売上は、ばかになりません。1人当たりのお土産の売上は、入場料以上になります。もちろんここでしか買えないプレミアム付きのお土産品の粗利は大きなものです。さまざまな割引やコマーシャルにお金を掛けてもお客を集めることがディズニーランドにとって重要なことなのです。ディズニーランドは、長く繁栄が続くようにさまざまな仕掛けを作っていますが、基本的な利益の構造は以上のようなものです。

 LCCが低価格でも利益を上げられる源泉は、機内販売の売上です。食事や飲み物などの1機の売上高は、全体の20%にも上るそうです。人件費や燃料や整備費、飛行場の利用料などを航空運賃でカバーできれば、機内販売の売上はそのまま利益になるのです。極論すれば、航空運賃はすべての経費をカバーできれば良いということになります。そう考えればLCCは、ただただ経費を削っている訳でもないし、安全性を無視してまで経費を削っている訳でもないのです。

 利益の出し方が違っていれば、別のフォーマットということになります。これまでの映画館とシネコンは、まったく違うフォーマットですし、安売り店と言ってもこれまでのディスカウント・ストアとコストコではまったく違います。同じように航空機による運送ビジネスと言ってもLCCと既存の飛行機ビジネスとはまったく違うフォーマットなのです。フォーマットの概念は、新たなビジネスを開発するためには欠かせないものなのです。
スポンサーサイト

テーマ:ビジネス - ジャンル:ビジネス

発展するロシアの顔
CIMG0568.jpg

 ロシアに行ってきました。ロシアといっても広大な国です。正しくは、主にモスクワ、サンクトペテルブルグ、それにスズダリ、セルギエフポサード、ウラジミールなどです。初めての訪問でしたが、話に聞いていたよりも整備は行き届いていましたし、ホテルや食事もなかなかのものでした。難を言えば、交通渋滞など何に付けても待たされることでした。都心は目と鼻の先に目的地が見えるのに渋滞でなかなか進みません。直ぐに一方通行のようなことも考えなければならないでしょう。空港なども手続きに時間が掛かって、まだ整備する必要がありそうです。

 今回驚いたのは、人の多さです。行ったところが観光地であったこと、天候が良かったこともあったのでしょう、どこへ行ってもたくさんの人がいました。特にサンクトペテルブルグのネフスキー大通りの人の多さは、日本の新宿、渋谷を上回るほどのものでした。最近、あまり人混みを歩いていなかったので、人に酔ってしまって地下鉄に乗ってみるという予定は実現しませんでした。

CIMG0571.jpg

 「ソ連とアメリカの違いは、スーパーマーケットが有るかないかだ」とFMI(全米スーパーマーケット協会)の総会にメッセージを送ったのは、当時のジョン・F・ケネディ第35代大統領でした。ダイエーの創業者中内功(正確には作りは力でなく刀)氏もそのメッセージに感銘を受けたと聞いています。しかし、今では生活に必要な商品は豊富にありますし、スーパーマーケット、百貨店、ショッピングセンターもありました。ただ、日本やアメリカなどと比較すると商品のバラエティさが足りないように見えます。高級品と低級品の2極だけで、その間をつなぐものが無いのです。これからもっとバラエティに富んだものになっていくものと思われます。

 小売業は、外国からの企業の進出が見られました。フランスのオーシャンやドイツのメトロ、スエーデンのイケア、スペインのザラなどが目につきました。ヨーロッパの主要企業が拡大している、ということなのでしょうが、日本のコンビニエンスストアが見られる日もそう遠いことではないように思われます。世界の主要都市は、格を競うようにルイビトン、エルメス、シャネル、グッチなどの有名専門店を導入しています。まるで無いと一流都市ではないというような感じです。これでは、繁華街はどこへ行っても同じ、ということになりかねません。その都市の顔をどう作っていくか、がこれからの大きな課題になるような気がします。

CIMG0590.jpg

 BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)と呼ばれるように、全体的に言えば、ロシアはこれからの国です。この4か国が経済発展の著しい国ですが、特にロシアの発展は目覚ましいものがあります。発展著しい国の特徴は、資源を持っていることと主な産業が農業だということです。つまり資源と食糧を握っている国ということになりますが、ロシアはGNPの70%強を資源に依存している、ということなので何も無い日本から見ると羨ましい限りです。しかし、どの国もそうですが、発展には沈みがつきものです。金持ちと貧乏人の格差が広がっているようです。年金で暮らしていたようなお年寄りは、苦しい生活を余儀なくされているのに対し、石油や天然ガスなどに関わっているような人たちは、高い給料を貰って裕福な生活を楽しんでいるようです。資源に頼っている現状をどう脱皮していくのか。プーチン大統領は、どんな国を作ろうとしているのか。これからが興味深いところです。

 発展の余地は、十分にあります。その発展に日本が関わることも大いにあるでしょう。あと2.3年もするとガラリと変わっていることと思います。そういえば2014年には、ロシアのソチで冬のオリンピックが開かれることになっています。それに合わせて空港の改築なども進めています。どんなに変わっているか、再び訪れてみたい国です。

テーマ:ビジネス - ジャンル:ビジネス

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。