小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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久々の岡田イオン名誉会長と商業界ゼミナール
 久し振りに岡田卓也イオン名誉会長・相談役にお会いしました。パーティで顔を合わせることはあるのですが、時間を取ってじっくりお話を伺うのは何年か振りのことでした。幕張のイオン本社、イオン財団での面談でしたが、86歳を超えてますますお元気なご様子でした。ダイエーの創業者中内さんや官僚で流通に入られたパイオニアの林さん、森口さん、西武百貨店の社長から三越百貨店の社長になった坂倉さんなど懐かしい名前がたくさん出てきました。

 政治家も登場します。安倍元総理のお父さん、安倍晋太郎さんには税調のときの関係であまり良い印象をもたれていないようでした。面白かったのは、大店法について陳情にいったときの政調会長、田中角栄さんの話です。田中さんは、話の中で「コンビニエンスストアは郵便局のようなものだ」と言ったそうです。まだ、コンビニが日本にオープンしたばかりの頃で、当時のジャスコも研究を始めたところだったそうでした。そんな時に本質をピタリと掴んでいたところは、さすがに大物政治家だったということでしょう。この当時、コンビニの情報を一体誰から得ていたのか、名誉会長にも今でも謎のようでした。

2月ゼミナール

 お会いした4日後に、岡田名誉会長は商業界ゼミナールに登壇されました。商業界ゼミナールは、今回で80回目になるそうですが、その記念に西武百貨店の創業者である堤清二さんとパネルディスカッションを行ったのです。岡田さんの話の中で、私が関心を引かれたのは、既存の体制にどうチャレンジしていくか、という指摘でした。西武百貨店は、さまざまな新機軸を手掛けて老舗百貨店にチャレンジしました。その時のように、現在の商人は、どんな既存勢力に、どんなチャレンジが必要なのか、といった指摘です。

 堤さんのお話で気になったのは、東京大学での講義録をまとめた『変革の透視図』が示した流通業の方向の先に、どんな方向があるのかということでした。どうも堤さんは、若い人たちへの期待といったものに変わっている様で、明確な答えは聞けませんでした。堤さんとしては、若い人の持っている潜在的な能力を高齢者がうまく引き出してやることによって、責任を果たして行きたい意向のようでした。私としては、もう少し具体的に『変革の透視図』に述べられていた「多元的流通構造」が実現したのか、実現したとすれば、その後は何を目指せばいいか、などの考えを聞かせて頂きたかったと思いました。

 パネルのコーディネーター、東京大学大学院の松原隆一郎教授からは、GDPは大きくなったが、幸福感を持っている人は少なくなっている、といった指摘がブータンの例なども交えて、有りました。岡田名誉会長からは、一人ひとりのお客に誠実に対応していく中で答えを見出していくしかないのではないか、といった意見がありました。モノが十分に無かった時代では、モノを提供するだけで幸福に貢献できたと思われます。ところがモノ自体が十分に提供されつくすと、幸福の意味も各人個別のものになってきます。それぞれの欲求にどう応えるかが大きな課題になるのでしょう。

 「お客様の求めるものを売るな、お客様のためになる商品を売れ」は、江戸時代に日本全国で信頼を得ていた近江商人の金言です。これからの難しい時代に、お客に対峙する商人が心掛けなければならない言葉ではないでしょうか。お客の求めるものだけを右から左に流すのでは、単なる運び屋でしかありません。役に立つものを売ってこそプロの商人と言えるのではないでしょうか。

 商業界ゼミナールは、昭和26年に第一回が行われ、当初は箱根で開催されました。箱根湯本で行われた時は、一帯の旅館・ホテルを借り切って2000名規模で行われました。受講生は自分の悩みを解決してくれると思われる講義会場へ雪の降る中を渡り歩いたものでした。小涌園で開催された時は、全館を借り切って、それでも足りない場合は他のホテルを借り切って行いました。全国の小売業者3000名の参加者という最高を記録したのもこの頃でした。今回80回記念と言うことで定員をオーバーしましたが、千葉・幕張の東京ベイホテルで800名の参加者でした。
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