小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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小売業産業化の道は既存勢力との戦いだった!
 小売業企業の発展は、既存勢力との戦いの歴史でもありました。既存勢力とは、業界構造を形成するメーカー、問屋、小売りなどの旧勢力です。この既存勢力との戦い、つまり革新を行わずに成長した企業は、小売業の歴史をみてもありません。特に、戦後はメーカー支配が強かったために、メーカー支配をいかに脱け出すかが成長の大きな要因になっていました。

 戦後流通革新のパイオニアとなったのはダイエーでした。ダイエーは、既成勢力というより、もっと大きく体制と戦った企業でした。そのため、大型店舗づくりもワンフロアごとに別会社組織にするなど法律違反すれすれのこともしていました。メーカーとの戦いで良く知られているのは、松下電器(現・パナソニック)とのものです。ついには松下電器も独禁法違反で公正取引委員会から勧告を受けています。

 メーカーが力を持っていた時代は、どの業界でも同様に、チャネル政策と評して小売店の組織化が行われていました。例えば、家電業界で言えば、松下電器は、ナショナル・ショップ、ナショナル店会、ナショナル連盟店などの格付けをして、系列店をコントロールしました。自社製品を正しくお客に知ってもらうためとか、乱売による値崩れを防ぐためといったことが大きな理由でした。具体的には報奨金や店舗設計から販売促進の手助け、広告宣伝、経営相談、観劇、旅行招待、季節の贈答品などでメーカーと小売店との絆を強めようとしました。

 化粧品業界でも資生堂は資生堂チェーンストアを組織し、8000人にのぼる美容部員を小売店に送り込んでチャネルの強化に努めました。“花椿会”を作って消費者の組織化も行っています。石鹸業界でも花王は、再販制度を使って価格を統制するとともに、問屋、小売店の緊密な関係を築きました。レインボー作戦といって花王に有利な棚割りを小売店に広げていきました。

 楽器業界も例外ではありません。日本楽器製造(現・ヤマハ)は、音楽教室のブランド力を利用して、チャネルを支配し、ピアノやエレクトーンの販売に独占的な力を発揮しました。こうしたメーカーの統制は、ある時期経済発展の道筋を作ってきたものですが、弊害も少なくありませんでした。

 もっとも大きなものは流通段階での自由競争の阻害です。価格を始めサービスなど小売業の競争には様々な方法がありますが、全てメーカーの意のままでは小売業の創意工夫が生かされることは一切ありませんでした。

 2つ目は、新規参入を阻害したことです。あくまでもメーカー都合で商品の流通が決まるので、新しい企業が入り込む余地はありません。新規参入がないので、適正な競争は行われず、組織の活性化はありません。業界は保守化してマーケットの変化に追い付いていけなくなりました。

 3つ目は専門化を妨げ、非効率を生むことです。マーチャンダイジングの主導権はメーカーが持っているので、専門化による小売店独自の人材も、仕組みも育ちません。小売店の自立がなければ、成長・発展も望めないのです。ところが消費の高度化、多様化といった時代の変化は、こうしたメーカー単独支配を許さず、いろいろの分野で大型小売企業が誕生することになります。しかし、時代がどう変化しようが、主体となる者がいなければ、革新はできないのです。
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