小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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ユニクロ、ジー・ユー まだら模様経済の対応
 ギャップの低価格帯フォーマット


 アメリカ小売企業の最近(5月)の業績を見ると、消費は確実に回復していることが窺がえます。まだ、まだら模様が見られるものの、既存店の前年対比売上高では、高級品を扱っている店を中心に伸びているのです。ICSC(国際ショッピングセンター協会)の調査では、百貨店のメーシーズ7.4%、ノードストローム7.4%、サックス・フィフス20.2%、ニーマン・マーカス12.0%、専門店のリミッテッドが6.0%、メンバーシップ・ホールセール・クラブ(MWC)のコストコが13.0%と好成績を上げています。その一方、大型専門店のJCペニーが-1.0%、専門店のギャップが-4.0%と業績を悪化させている企業もあります。

 景気のトレンドは、いつも高級品から現れ、中級品、低級品と移っていくようです。景気が悪化するときも好転するときも兆しは、いつでも高所得者が多くのお客を占める店舗なのです。高級品には、ファッション性や趣味性の高いもの、ブランド力の有るものなど生活必需的要素が薄くなる傾向がありますから、景気に敏感にならざるを得ないというのは理解できます。特にアメリカのように所得ピラミッドの先端が鋭い国では明確に現れてくるのです。日本はデフレ傾向が長く続いていますが、やはり最初は百貨店や高級専門店から売上減が明らかになっていました。

 前年対比の落ち込みは、日本では百貨店から始まって日本型総合スーパー、専門店、スーパーマーケト、コンビニエンスストア、ディスカウントストアへと続き、定着していきました。いわゆるミドルクラスと言われる人々が多いときには、景気の悪化は、あらゆるフォーマットに同時に現れていましたが、所得格差が広がって中間の割合が減ってくると業績がまばらになるようです。逆に言えば、日本もそれだけ所得の格差が大きくなったと言えるでしょう。景気の反映がまばらに業績に現れて来た時、経営にとってどう対応するかが問題になってきます。

ユニクロの低価格帯フォーマット


 ユニクロ(ファーストリテイリング)がジー・ユーという新しいフォーマットを開発しました。もともとダイエーにテナント出店するために開発されたフォーマットでしたが、ユニクロよりも価格帯の低いフォーマットです。中心価格はユニクロ3000円とすれば1000円といったところです。ユニクロは、当初安さを売物にしていましたが、今やファッション性のウエイトも高くなっています。H&Mやザラに肩を並べるようなファッション性を持ちながら価格も安い、といったところを狙っているのでしょう。でなければ、グローバルな競争には対応できないのです。そうなると、低価格帯が抜けてしますことになります。その価格ゾーンをカバーするのが、ジー・ユーということになるのです。

 SPAのパイオニア、ギャップもオールドネービー・クロジングという低価格帯のフォーマットを持っています。ユニクロ、ジー・ユーと同様の関係を持つ店舗です。ギャップが日本に上陸するという話が起こったとき、オールドネービーの方がギャップより怖かった、と言った人がいたくらい価格訴求力の強い店舗です。ユニクロがギャップの戦略を真似たとは言いませんが、同じような結果が生まれていることは確かなことです。まばらな消費傾向のなかでシェア率をあげていくには、そのマーケットに適合したフォーマットを開発する必要があるのです。

 ミネアポリスにサイモンデービット言うスーパーマーケットがありました。駐車場には、BMWやベンツ、ロールスロイスなどの高級車が多く止っているスーパーマーケットです。扱っている商品も高級ですが、販売員のサービスも素晴らしいものがあります。大量に購入した商品は、駐車場の車まで運んでくれました。同じ地区に価格帯の少し低いトムサムペイジというスーパーがありました。店数は、サイモンデービットよりも遥かに多いのですが、価格帯はより低いスーパーでした。トムサムは、サイモンのように上層ではなく中間層を狙っているのですから、店数が多くなるのは、当然といえば、当然です。このトムサムをアメリカの景気が悪化した時、トムサムペイジが買収に掛かります。この頃、似たようなM&A(買収・合併)が盛んに行われました。

 価格帯の違うフォーマットが合併するのは、消費がまばらになった証拠でもあります。換言すれば、全体のシェアを上げるためには、新たなフォーマットが必要になるのです。一つのフォーマットで全てのお客の要求を満たすのは不可能です。そう考えると、これから新たなフォーマットの開発、M&Aがあらゆる業態で盛んになると思われます。
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テーマ:マーケティング - ジャンル:ビジネス

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