小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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コルベット、ジャパネットタカタ、しまむら楽器の成長要因
 ビジネスが成功し、成長・発展するためには、当然ニーズが存在しなければなりません。そして、それに適切に対応するための能力が必要になります。魚のいない水溜りに竿を下ろしても魚は釣れませんし、吊り上げ方が間違っていたのでは、魚を釣るのは無理です。ただし、ニーズは、気まぐれで常に変化するので、対応もそれを見極める必要があります。どこから手を着け、どのように拡大していくのか。新規ビジネスに手をつけるときには留意しなければならない重要なポイントです。

 テレビショッピングで有名なジャパネットタカタは、1986年の設立ですが、その前身はカメラ店でした。その頃、カメラ店と言えばカメラとフィルムの販売、撮った写真の現像、焼付け、引き伸ばしなどを生業としていました。いずれも、お客が来るのを待っているだけのものです。お客は近所の人か販売員の知識を期待して来店する人でした。これでは、成長・発展することはできません。そこで、もっと多くのお客にカメラを買ってもらおうと宣伝に力を入れました。大量に販売すれば、それだけ仕入れ値が下がり、より安く売れてより多くのお客を獲得できるという好循環を生むことができるのです。

 ジャパネットタカタは、チラシによる宣伝で手ごたえを掴みました。そして、90年からラジオ、94年からテレビや新聞広告の出稿や折込チラシ、ネット通販と宣伝方法を広げていきました。より多くのお客を獲得するために網を大きなものに切り替えていったのです。扱う商品もカメラだけでなく家電製品、ミシン、おもちゃ、雑貨などに拡大していきました。今や単なるカメラの販売業ではなく、タイムリーに商品を販売する通信販売業に変わったのです。その結果、今や売上高約1800億円を上げ、業界ではアマゾン、アスクルに次いでトップ3までになりました。

 アメリカでもっとも強力なフォーマットと言われるのがディスカウント・ストアです。そのパイオニアのコルベットは、元はニューヨークのカバン店でした。父親のカバン店を引き継いだユージン・ファーカフは、売れないカバンに頭を抱えていました。売れなければ新しいカバンを売場に並べることができません。売場は売れないカバンでますます狭くなるばかりです。そこで、すべてのカバンを50%引きで処分することにしました。商品は、あっというまに売り切れ、売場を埋める商品が間に合わないくらいになりました。安くすれば売れるということに気づいたファーカフは、当時普及著しい電化製品も扱うことにしました。

 扱い商品の拡大は、ますますお客に支持されることになりました。そんなある日、ユージン・ファーカフは、こんなに喜ばれるならデパートメントストアのようにあらゆる商品を扱ったらどうだろうと、考えました。そして、フルラインのディスカウント・ストアが誕生することになるのです。ニューヨーク5番街にオープンしたフルラインのディスカウント・ストアは、毎日たくさんのお客が押しかけ、多くの小売業者に影響を与えることになります。ウオルマート、ターゲット、Kマートといった有力ディスカウント・ストア企業は、すべてコルベットの強い影響を受けています。

 しまむら楽器の出発は、音楽教室でした。父親の文具店を引き継いだ島村社長は、自分の好きだった音楽の道に進むことにしました。当時ヤマハが募集していた音楽教室を始めたのです。好きな音楽の世界ということで、社長自ら駅前で撒いたチラシと文具店で培った信用のお陰で、たくさんの生徒が集まってきました。ところが、折角ある程度上達したのに途中で止めていく生徒も少なくなかったのです。調べてみると、家に楽器が無いので練習が出来ないという理由でした。そこで、楽器の斡旋をすることにしました。教えてもらう先生からアドバイスが受けられますから、生徒も楽器を安心して買うことができました。

 楽器はピアノだけではありません。ギターや管楽器などいろいろなものがあります。そうした楽器を一同に集めた店舗を作れば、音楽を楽しむ人がもっと増えるのではないか、と社長は考えました。東京・葛西にオープンしたジャスコ関東進出1号店のショッピングセンターに出店します。しかし、ただ売場だけを出したのではありません。売場と共にスタジオと教室も併設することにしました。これまでの経験から楽器を売るだけではなく、スタジオ、教室といったソフトを提供することが必要なことがわかっていたからです。こうして今や全国100店舗超、売上高約300億円の音楽専門店に成長したのです。

 上記の例を見ても、最初から計画して成長・発展したわけでないことは明らかです。常にニーズを見極め、適切な対応をしたからこそ成長も発展もあるのです。他の人間が真似ても決して上手くいくものではありません。確かに運がなかったわけではありません。さまざまな人との出会い、幸運な出来事なども有りました。しかし、その都度目の前の問題を片付け、着々と内部を固めていったことが現在に繋がっているのです。目の前にある問題に真摯に向き合い、正面から突き進むことが成長・発展に繋がることを上記の例は示してくれるのです。
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テーマ:ビジネス - ジャンル:ビジネス

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