小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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日本の競争力の強さに繋がるレジシステムの革新
SMトレードショー会場

 展示会の季節がやってきました。春の先頭を切って2月8日からビッグサイトで開かれていた「スーパーマーケットトレードショー2011」に、最終日の10日に足を運んでみました。“創ニッポン”をテーマにスーパーに関係する装置を扱うメーカーが自社の製品を熱心に売り込む姿があちこちで見られました。日本のスーパーの現状が、このショーを見ることで解ってきます。特にシステムがよりトータルになっていること、エコへの取り組みがより具体化していることなどが目を引きました。

 中でも興味を引いたのが、レジ・システムです。最近かなり普及してきたセルフレジの先は、暫らくないだろうと思っていましたが、その意識は古いものだということを思い知らされました。精算システムの方向性が提示されていたのです。それも実験段階などではなく、すでに何ヵ所かで導入され、成果を上げているという話を聞いて、少々びっくりしてしまいました。

 新システムは、これまでの機能を2つに分解するものでした。レジには、2つの機能があります。1つは、買上げ商品のチェックです。何を、いくらで、何個買ったか、トータル金額は、といったものです。もう一つの機能は、現金のやり取りです。購買金額によって現金を受け取り、つり銭があるときには、それを返金するというものです。これまでは、この2つを一連の作業として行っていました。混雑の激しいときには、POSレジでスキャンする人と、お金のやり取りを専門にする人の2人体制で早くするというのが、通常の流れでした。

 スーパーのレジ作業を見ていて最近感じるのは、従業員のチェックが早くなったということです。POSレジの進歩ということもあるのでしょうが、スピードも速くなっていますし、間違いも少なくなっています。ところが、その分逆にお金のやり取りに時間が掛かっているように思われます。財布の中に細かいお金を探す高齢者など料金の受け渡し、つり銭の返金に時間が増えているのです。お客と従業員がフレンドリーに話をしながらチェックアウトを済ませるアメリカなどと違って、並んでいるお客のじりじりしている感じが伝わってくるほどです。

寺岡精工POS
(TERAOKA製品ニュースより)
 新しいシステムでは、従業員は、商品をチェックすることに専念します。POSで、ただただスキャンをし続けるのです。お客は、商品チェックが済んだら、そこで計算書を受け取ります。料金の精算は、お客が自分自身ですることになります。精算は商品の出ない自動販売機と思えば良いでしょう。お客はもらった計算書を自動精算機の読み取り装置に掛けます。すると購買金額が表示され、その金額を投入すると買物が終了するということになります。つまり、有料駐車場のように、出口で駐車券を入れて、表示された料金を支払うといって方式です。

 すでに導入されたスーパーの映像では、少ないレジ台数で効率よくお客を捌いていました。精算機の方では、お客は自分のペースで料金の支払いを済ませています。混んでいるレジの精算で、細かいお金を探し、結局無くて1万円を出したという経験などはありませんか。後ろに並んでいる人やレジの担当者の無言のプレッシャーを感じて、いやな思いをした経験はありませんか。そのプレッシャーが却って動作を遅らせることにもなるのです。マイペースで精算ができることは、重要なことです。逆に急いでいる人などは、ゆっくりしている人を追い抜いて精算を済ませています。どちらにとっても望むところということでしょう。

 スキャン専門にPOSは作業をするので処理能力は高いのですが、それでもお客が並ぶ場合には、ハンデーターミナルを持ち出し、並んでいる人を処理します。結局、スキャンさえすれば言い訳ですから、精算機は必要がないのです。とにかく清算書を発行していけば良いのです。この手法は、マクドナルドのような飲食店でも見られるものです。このシステムがこれからの日本のフォーマットを大きく変えていくことが考えられます。

 日本の流通業もすっかりグローバル競争の中に組み込まれています。国内ではさまざまな外資系企業が活動していますし、海外に進出している日本企業も少なくありません。日本企業の競争力は、もちろんマーチャンダイジングが受けていることもありますが、それだけでなくシステム力も大きいものがあります。POSレジなどの機械そのものだけでなく、上記のようなシステム自体も、これから海外に売り込める技術になっていくことも忘れてはいけないことです。
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