小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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コメリ、しまむらの立地革命
コメリの店舗

 小売店経営には、8つの大きな要因があります。①販売促進(Sales promotion)、②組織と教育(Organization & education)、③サービス(Service)、④価格政策(Price policy)、⑤品揃え計画(Assortment plan)、⑥規模とレイアウト(Scale & store layout)、⑦立地と商圏(Location & trade area)、⑧提供方法と陳列(Presentation & Display)の8つです。小売業の経営は、この8つを駆使してマーケットを攻略することです。その結果、ROI(Return on investment)が高くなるか低くなるかが決まるわけです。

 8つの要因の中でも小売店経営にとって立地は重要です。立地によってお店の成否が決まると言っても過言ではないでしょう。立地にも、大きく見ると時代によって変化があります。30年ほど前までは、商店街が買物の中心でした。住宅地に張り付くように生まれた商店街にお客は徒歩で買物に出かけました。ところが、鉄道が発達し、駅前にバスのロータリーが出来ると買物の中心は、駅前に移っていきました。さらに郊外住宅地が形成されると、そこに大型の店舗が作られ、お客はそうした車で便利な店に買物に行くようになりました。こうした変化に上手く対応できたところが、現在生き残っているところなのです。

 ホームセンター企業のコメリは、立地革命を起こした企業の一つです。この7月23日には古志店(島根県出雲市)で1000店のオープンを達成しました。ホームセンターでは、初の快挙です。といってもコメリは、少々変わっています。ホームセンターはもともと一戸建て住宅が増加する郊外に作られました。当初は、450坪程の店舗でDIY商品を中心に生活雑貨を扱っていました。ところがコメリは、郊外の一回り外、ルーラル(農村地帯)といわれるところに、ハード&グリーンと呼ぶ小型の店舗を展開しました。ハード&グリーンは、農機具やDIY用品などの金物と園芸関係を中心にした店舗です。標準規模は、当初150坪位でしたが、今では300坪位になっています。

 コメリの店舗の所在地には、市部ではなく郡部の町や村が多く見られます。他のホームセンター企業が盛んに郊外に出店している時にコメリは、その外に出ていたのです。当然、郊外よりお客は少なくなります。しかし、他の企業が出てこない分競争がありません。さらにコメリが150坪であっても、それより近代的で、大型の既存店もありません。全くの真空地帯なのです。当時、地域の人が家の近くに大型店が出来た、というので見に行くとコメリだった、という話が聞かれたくらいです。コメリの周辺の人たちにとっては初めて目にする大型店だったのです。

 コメリの立地が郡部であったことが、1000店舗達成の大きな原因になっていることは、明らかなところです。郡部は、商圏人口が少なくても地代が安く、投資コストが少なくて済みます。日本全国を見回してみると似たような場所はいくらでもあります。後は、売れ筋商品の欠品のない物流システムがコメリ成功の鍵なのですが、物流については、ここでは触れません。

しまむらの店舗

 もう一つの立地革命は、ファッションストアのしまむらです。しまむらが展開を始めたときは、郊外のロードサイド(道路沿い)が華やかな時代でした。ロードサイドにホームセンターや靴、紳士服、玩具、スポーツ用品、薬、園芸など次から次に店舗が作られていきました。ところが、しまむらは、郊外は郊外でもロードサイドではなく、住宅地の中に店舗を作っていったのです。郊外でカーショッピングが盛んな頃に、徒歩や自転車のお客を狙ったのです。最近では、ファッションを前面に謳っていますが、当初は、実用衣料中心でしたから、徒歩や自転車のお客で十分だったのです。さらに車で運ぶほど重いものではなかったのです。

 しまむらの競争相手もいませんでした。郊外ロードサイドに皆の目が向いて、住宅地の中には入ってこなかったのです。「カーショッピングがこれからのショッピングだ」、というマスコミの主張に惑わされなかった、ということもあるでしょう。住宅地の小商圏で十分成立したことが、しまむらのチェーン展開につながりました。現在では、しまむら1,162店舗(2010.2.20現在)になりましたが、若者向けのアベイル234店舗、ベビー・子供用品のバースデイ 112店舗 服飾雑貨のシャンブル 69店舗、靴のディバロ11店舗など違うフォーマットも展開しています。さらに、そうした店舗を組み合わせてショッピングセンターも作っているのでカーショッピング立地もあるのですが、もともとの立地戦略は、郊外住宅地の中だったのです。付け加えておくと、しまむらも物流システムが成功の鍵になっています。
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