小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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フォーマット(業態類型)の混乱はしばらく続く
ローソンとマツキヨ提携

 
 最近、小売業の扱い商品に垣根が見え無くなっています。一体何を売ろうとしているのか正体がはっきりしないのです。売れるものは何でも扱っていこうという積極姿勢は評価できるのですが、その場しのぎの対応では、情況が変化すれば直ぐに業績悪化になることは目に見えています。厳しい情況であるこの時期だからこそ、慎重に行動する必要があると思うのです。

 小売ビジネスの見分け方に、業種、業態、業態類型という概念があります。業種とは、英語ではKind of businessと言って主力で扱っている商品が何なのか、によるものです。例えば、肉を主力に扱っている店は、肉屋ですし、魚を主力にするところは魚屋ですし、金物主力は、金物屋と言った具合です。業態とは、英語ではType of operationと言ってどんな売り方をしているか、によるものです。例えば、店売りか外販か、対面かセルフサービスかといったことです。業態類型とは、英語ではFormatと言いますが、消費者のT(時)、P(場所)、O(場合)、S(スタイル)などの用途に合わせた品揃えの違いによるものです。
 
 米国の小売店では、フォーマットが明確です。消費者のどんな用途に対応しようとしているかが分かりやすいのです。だからといって扱い商品に柔軟性がないかというわけではありません。有望な商品だと思えば、直ぐにそれを取り込みます。ラインロビング(品種の奪い取り)といって、既存の品揃え構成に適合した特定の品種だけを扱うのです。婦人服の専門店が化粧品や靴を扱うのは、店の品揃え構成に適合した商品だからです。コンビニエンスストアが一部の雑誌を扱うのもその例です。

 フォーマットは、よく動物に例えられます。ライオンやキリン、ウサギ、ウマ、ネズミイノシシなどなどです。それぞれ独特の形態をし、天敵から身を守るための得意技を持って生きています。ライオンは、キリンやウサギにはなれませんし、ウサギはネズミやウシにはなれません。従って誰が見ても直ぐに何なのか判別が付きます。フォーマットも同じです。それが、お客にとっても分りやすいし、もっとも効率がよく競争上も優位に立てる、ということです。

 日本では、歴史的な法規制や業界構造などもあってフォーマットづくりがおくれています。ショッピングセンターが普及したことで、やっと差別化・異質化が進んできましたが、まだまだ売れるものを扱っていこうという志向は、残っています。競争がそれほどでもないから、やっていくことができるのでしょう。ライオンのような格好をしたイヌやネコ、ウサギのような格好をしたオオカミやタヌキなど、判別が難しいのが実態です。価格競争だけのジーンズのPBは、消費者にとっても企業にとっても好ましいことではないような気がするのですが。

 最近のフォーマットの混乱に拍車を掛けているのが、コンビニエンスストアです。コンビニエンスストアは、もともとお客に便利性を提供するというもので、後は柔軟に対応してきました。宅配便の取り扱い、公共料金の支払い、銀行業務、郵便事業、各種チケットの取り扱い、税の支払いなど、便利だと思われるものは何でも扱います。しかし、100㎡前後で住宅地の近くでといった概念は、まったく崩れました。駅の中や学校などでは、もっと小型のものが在りますし、生鮮を扱う店舗なども出てきています。

 生鮮コンビニと言われるものがありますが、小型のスーパーマーケットとは、どこが違うのでしょうか。イオンでは、マイバスケットと呼ぶ小型店が数を増やしていますが、これと生鮮コンビニはどこがどう違うのでしょうか。改正薬事法の施行によって、コンビニとドラッグストアの組み合わせ店舗が拡大していますが、これはコンビニなのかドラッグなのか。薬品の扱いはホームセンターや家電店にも広がっていますが、ドラッグストアとの違いはどこか。お客は何を選択の基準とすべきか、しばらく混乱は続きそうです。

 米国では、小型の食料品店をスーパーレットと呼び、既存のスーパーマーケットとは分けていますが、それでも日本のスーパーと同じくらいの規模を持っています。考えてみると、都心部では、大型スーパーマーケットの出店余地が少ないこと、店舗が少なく競争が無いこと、小型店の方が効率がいいこと、などが現在のような情況を生み出している、と言えそうです。特別な事情があるにしても、何を主力商品にしているのか、お客に受け入れられるロスリーダー(どこよりも安く手に入れられる商品)が何なのかをはっきりしていくことは、お客にとっても、競争上も、経営にとっても良い事だと思うのですが。
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