小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
4つの段階を経て進化した専門店チェーン
イオン土浦

 ショッピングセンター(SC)の大きな役割の1つに、インキュベーター(孵化機)ということがあります。つまり、SCが孵化機となって新しいビジネスの芽を生み出し、それを大きく育てるということです。SCの先進国アメリカでは、ここを足がかりに多くの専門店チェーンが生まれ、大きな企業に育っています。SCがたくさんあるので、3桁のチェーンがあっというまに生まれるのです。その反面、倒産も少なくありません。半年後にSCを見学に行くと、もう撤退していたということもよくあります。

 アメリカのSCでは、1年間に15%ほどのテナントの入れ替わりがあると言われます。人気のないテナントが抜け、新しいテナントに替わるのです。その入れ替わりの速さが、SCの活力になり、お客の楽しさに繋がっていると言われます。アメリカのSCに行くと、何時行ってもわくわくするような楽しさがあると言われるのはこのためです。SCの成功条件に強力な核店が入っていることが挙げられますが、それ以上にテナントの活性化は大きな意味を持っているのです。

 日本の専門店チェーンは、戦後4つの段階を経て進化してきました。時代によって勢力図が大きく変化しているのです。第一段階は、大都市の繁華街の駅ビル、ファッションビルに出店して拡大した専門店グループです。このグループには、古くから銀座や上野、渋谷など都心の繁華街で商売をしてきた老舗と言われる専門店が多く含まれています。価格ではなく、高級イメージで信頼性を売り物にしていた店です。当時、ASCSという専門店グループがあり、このメンバーが揃って出店していたように記憶しています。パルコやルミネなどがその当時の代表的ファッションビルでした。

 第2段階は、地方都市の駅ビルやファッションビルで拡大した専門店チェーンのグループです。コストが高くて大都市の繁華街などには出られないが、地方都市ならば出店できるとばかりに次々に出店していきました。この専門店グループには、高級専門店はありませんでした。第1と第2段階では格が違うのです。価格も大衆的に買いやすいものになっていました。第1段階で見られたように、老舗の信頼ブランドを打ち出すというのではなく、最初からチェーンづくりを目指して拡大していました。この時は、ASCSではなくSSCSという専門店グループがあり、このメンバーがこぞって出店していたように記憶しています。ポポロとかアトレといったファッションビルが各地に生まれました。

 第3段階は、ロードサイドに生まれたグループです。都市の中心街から外れた主要幹線道路沿いに出店し、ロードサイドリテイラーと呼ばれました。既存の駅ビルやファッションビルが70㎡、100㎡位なのに対し、500㎡位の規模を持ち、セルフサービス、ローコスト運営、低価格を売り物にして拡大していきました。紳士服、カジュアル、靴、玩具、スポーツ用品、園芸、ペットといった専門店チェーンが生まれていきました。紳士服の青山、アオキ、ユニクロなどもこうしたロードサイドから出発した専門店です。もはや駅ビルやファッションビルなどは関係ありません。

イオン土浦島村楽器
 第4段階は、SCで拡大した専門店チェーンです。逆に言えばSCがなければ、成長・発展はなかっただろうという専門店企業です。SCで生まれ・育った専門店は、それまでの専門店とは違って、カテゴリーがはっきりしています。それまでは、婦人服、紳士服、靴、玩具、スポーツ用品などの物を売るなかで、他店との差別化を図っていたのが、SC専門店は消費者のニーズにどう対応するかがはっきりしています。お客の明確な選択肢となっているのです。以前ブログで触れた島村楽器などもその1つです。島村楽器は、楽器を売っているのではなく、音楽を楽しむニーズに対応しているのです。そこで音楽教室やスタジオも併設しています。

 専門店チェーンは、第3段階辺りから大きく変わったと言えます。チェーンの要であるマス・マーチャンダイジングが可能になったのです。理由の一つは、規模を格段に大きくしたことです。それによって少ない人員で大きな売場を回すことができるようになりました。さらにSPA(製造・販売)の仕組みを作れるようになりました。以前の専門店とは、全く別のものになったのです。専門店の時代と言われて久しいものがあります。多様な消費者に対応するもっとも適したシステムであり、仕入れや販売も分りやすいということもあって、そう言われたのですが、なかなか実現しなかったのが現実です。やっと本格的な時代が来たということが言えるでしょう。
スポンサーサイト

テーマ:ビジネス - ジャンル:ビジネス

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。