小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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スタジオアリスのマーケット創造秘話(下)
衣装は500着持っている
 スタジオ・アリスには、優れたところがいろいろありますがそのなかでも注目されるのが「VTRフォトセレクトシステム」です。このシステムは、撮った写真がテレビモニターで見られるというものです。重要な点は、見るだけでなく気に入った写真をお客自身に選ばせると言うことです。最終的な紙焼きにすべき写真をお客が自分で指定できるのです。

これまでの写真屋さんでは、カメラマンの気に入った写真が紙焼きされていました。それはカメラマンにプロとしてのプライドがあり、構図や表情で気に入ったものを使うからです。しかし、それは必ずしもお客が気に入るものとは限りません。お客は芸術的な写真を要求しているわけではありません。構図が少し甘くても、ピンが少し合っていなくとも自分の気に入った表情で取れていればいいのです。美容院などで、プロのカットが気に入らない場合があるのと同じです。写真スタジオでもそうしたトラブルが少なくないのです。
 
 スタジオ・アリスでは、お客が好きな写真を選べます。紙焼きしなかったからと言ってお金が掛かることはありません。何枚撮ったとしても撮っただけでは料金は掛かりません。撮影料はもちろん掛かりますが、写真は選んで紙焼きにしたものだけに掛かるのです。スタジオ・アリスには、洋装・和装、ドレスやぬいぐるみのようなものまで500着からの衣装があります。デイズニー・ランドと使用契約を結んだキャラクターの衣装もあります。この衣装はいくら着替えても、写真を選ばなければ無料です。ですからお客は安心して撮ることが出来るのです。

 気に入った写真をお客に選ばせるということは、逆に言えばカメラマンが誰でも良いと言うことです。プロである必要はまったくありません。そこで、スタジオ・アリスのカメラマンは、素人のパートタイマーです。写真を撮るのが好きな主婦がパートでやっているのです。本村社長も、スタジオ・アリスでは写真を撮る技術よりも、子どもをあやし、良い表情を引き出す技術の方が大事なのです、と言われていました。ですから女性、それも子どもに慣れている主婦が良いのです。当然、プロのカメラマンを雇うよりも、人件費は安くなります。そして、結果的に料金を安く設定することができるのです。

 親の心理を巧みに掴んでいるところも見逃せません。衣装を何回着替えても無料といっても、撮れば欲しくなるのが親心というものです。別料金が掛かりますが、ディズニーのキャラクターなどは、子どもにもねだられますし、親も撮ってやりたいものです。自分の子どもは可愛いし、どうしても買い取る数が増えていくことは、自然の成り行きです。

 写真を撮る場面の提案もしています。最初は、七五三、お節句、お宮参り、誕生日などが主で、本村社長も売上げが片寄ってしょうがない、と言われていました。まさにシャッター・チャンスを増やす方策ということでしょうか。マタニティの日とか100日ベービーといった提案をしています。マタニティの日とは、お腹が大きい時にご夫婦で記念の写真を撮っておくというものです。100日ベービーとは、100日目の赤ちゃんです。
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スタジオアリスのマーケット創造秘話(上)
 子ども写真館スタジオアリスは絶好調
スタジオ・アリスをご存じでしょうか。子どもの写真スタジオで、現在全国に約370店舗を展開し、東京一部上場企業で、テレビ宣伝などもしています。この創業者の本村昌次社長は、もともと町の写真店を経営していました。そのときから漠然と、ビッグになりたい、と思っていたそうです。今のようにチェーン展開し、上場までになった切っ掛けは、ある企業が主催した勉強会に出たことでした。そのセミナーは、ダイエーの中内功(力ではなく刀です)氏や、イオン(当時ジャスコ)の岡田卓也氏、ニチイ(現マイカル)の西端行雄氏など流通業のそうそうたる創業者が学んでいたセミナーでした。

 そこへ行けば大きくなる方法が教えてもらえると本村社長は、思ったのです。ところが、そのセミナーでは、商人の精神とか商売の正しいあり方、といった話ばかりで一向に方法を教えてもらえません。そこで、成功した先輩に直接悩みをぶつけてみました。その勉強会では、先輩の受講者と新人受講者が悩みを話し合う時間帯が設けられていたのです。本村社長は、このセミナーに参加した目的である、大きくなりたいという悩みを打ち明けたそうです。

 ところが、そこで出てきた先輩の答えは、意外なものでした。「なぜ、あなたは大きくなりたいのですか」、まったく頭になかったことなので本村社長はびっくりしたそうです。そして、なぜだろうと一生懸命考えた、ということです。当時からよく言われたことですが、ちょっと成功するブランドもので着飾って大きな車に乗り、女遊びをする、そのうち商売がうまくいかなくなる、というケースが多いのです。先輩がそのとき教えたかったことは、大きくなることの目的がしっかりしていないと、中等半端なところで終わってしまうし、金の亡者になるだけだ、ということだったのです。

 子どもの写真スタジオを始める切っ掛けは、アメリカ視察旅行でした。ショッピングセンターやディスカウントストアなどの大型商業施設に行くと子どもの写真を撮ってくれるスタジオがあるのです。それも可愛い衣装を着せたり、おもちゃを持たせたりして撮っています。撮っている人も、親も楽しそうにしています。値段も日本の写真屋などに比べれば破格のものです。当時、日本でもカメラは、どの家にもあり、子どもの写真は、親が撮ることが多くなっていました。さらにビデオカメラを持っている人も多く、写真を撮るという習慣も薄れていたのです。町の写真屋も廃業するところが出ていました。そのため、新しくスタジオは、成功しないと見る人も少なくなかったのです。

 ところが、1店目は成功しました。成功要因は、出店した場所が良く、集客力があったこと、これまでの町の写真屋と違って、値段が格段に安かったことです。ちゃんとしたスタジオで、破格の値段で、しっかりした写真が撮ってもらえる、ということで、七五三や入学式、出産などの写真が次々に入ってきたのです。いわば写真屋のディスカウント店です。破格の値段が打ち出せたのは、最初からチェーン志向をしていたからです。

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TX研究学園にイーアスつくばが10月31日オープン
イーアスつくばは南関東最大級
 つくばエクスプレス(TX)沿線に、また1つSCがオープンします。つくばエクスプレス沿線には、既に流山大鷹の森駅前にタカシマヤフードメゾンを核店とする「大鷹の森SC」,柏の葉駅前に、三井不動産が開発して東急ストアが核店となる「ららぽーと柏の葉」、守谷駅前にはカスミが核店になる「ロックシティ守谷」がオープンしていますが、10月31日に研究学園駅前に巨大なSCが誕生することになりました。研究学園駅は、TXの終点つくば駅の一つ手前になります。

 イーアスつくばと名付けられたこのSCは、北関東最大級がうたい文句になっているように周辺の既存SCをすべて足しても追いつかないという巨大な規模です。その大きさは、イオン・レイクタウンには、到底及びませんが、敷地面積14万5385㎡(4万3978坪)、SC面積8万4765㎡(2万5641坪)、駐車スペース4700台、総店舗数221店というものです。

 デベロッパーの大和ハウス工業は、これまでも数々のSCを手掛けてきました。イオンと組んで「ロック開発」を設立し、NSCやCSCなどを作った時期もありました。ロードサイドにフリースタンディング(単独店)の店舗を作ったロック・システムは、一世を風靡したものです。SC開発のノウハウでは、日本では5本の指に入ると言ってもよいでしょう。大和ハウス工業が、現在保有している商業施設は、2005年オープンの「横浜四季の森フォレオ」(神奈川県横浜市)、2007年オープンの「りんくうプレジャータウンSEACLE」(大阪市泉佐野市)などがありますが、今後イーアスつくばに引き続き滋賀県大津市、北海道札幌市にもSCのオープンが予定されています。

 イーアスつくばの大きな特徴の一つは、一つの建物にテナントが集まったエンクローズド・モールとテナントが露出したストリップセンターとが合体した構成になっていることです。デベロッパーは、これをインモールとアウトモールを併設する「ハイブリットモール」と言っています。

 エンクローズドのインモールには、スーパーマーケットの「フードスクエアカスミ」を始め、書籍、家電、ファミリーカジュアル、スポーツ店、アミューズメントパーク、玩具・ベビー用品、シネコン、ブランドショップ、ミュージアムなどの大型テナントの他、130店以上のテナントが入っています。アウトモールには、医療機関、銀行、ペットショップの他、5店舗の飲食ゾーンなどが入っています。

 研究学園都市というつくば市に相応しい施設もあります。筑波大学発のベンチャー企業CYBERDYNE㈱による「サイバーダインスタジオ」がそれです。ここでは、サイバーダイン社が開発したさまざまな技術を体験することができます。ロボットスーツ「HAL」の装着体験もその一つです。また、「サイバニクスクロニクル」のコーナーでは、サイバニックス技術の進化やロボットの歴史、未来技術、次世代住環境などを紹介するということです。サイバニックス技術とは、人・機械・情報系の融合複合した技術です。

 もちろん環境にも配慮しています。太陽光発電システムや太陽光発電システムと風力発電システムを兼ね備えたエコハイブリッド・ウェルカムタワーを設置し、電力の一部を賄うことにしています。深夜電力を利用した「氷蓄熱システム」、屋上緑化、壁面緑化なども取り入れています。

 消費が低迷しているのに大型SCが次々にオープンして大丈夫なのか、すでに現在あるSCだけで十分なのではないか、という意見もあります。しかし、時代はどんどん変化しています。SCも進化・発展しているのです。新しくできるSCは、それ自体新店ということだけではなく、次の時代の標準を作っているのです。このイーアスつくばや、イオン・レイクタウンでは、環境に配慮が払われています。つまり、これからのSCは、エコが標準になって、何らかの形でエコに配慮していなければ、生き残っていけないということです。医療機関などテナントミックスの仕方、地元発の施設の導入など、これからのSCがどんな方向に進んでいくのか、新しいSCが教えてくれるものはたくさんあります。

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