小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ウォルマートのハイランド・ビレッジ店は、“生活の質”に目を向けている
図1ハイランド・ビレッジ店レイアウト

 ウォルマートのハイランド・ビレッジ店は、スーパーセンターのフォーマットですが、店舗の中は既成タイプとは一変しています。図①は、そのレイアウトを簡単に示したものです。まず、入口は2カ所あります。既存のタイプも2カ所ですが、ご覧のように意味合いはまったく違います。既存タイプは、右手の主通路に通じるものが入口で、もう一つの左側は、出口の位置づけです。なぜならば、突き当たりがお菓子と宝石に挟まれたサブ通路だからです。一方、ハイランド・ビレッジ店は、右はファッションとホームの間の主通路に、左は食品とファッションの間の主通路にと、主通路に続いているのです。どちらも売場の奥に導入する入口の役割を持っていると言えるのです。

 入口からの主通路によって、食品関係、ファッション関係、ホーム関係というようにゾーンが明確に分かれています。買物の目的によって、買いやすい売場になっていると言えます。売場は、ペット・靴・家電・玩具など、それぞれショップ形式で明確になっています。バイク・ショップなどは、入口がもう一つ設けられているほどです。この地区には、バイク専用の道路があって、それがショップの充実につながっているということです。ウォルマートの店舗に続く専用道路をウォルマートは市と協力して舗装したという話もあります。

 各ショップは、短いゴンドラを使って、回り込まなくても他の売場に行けるようになっています。売場の配置についても既存タイプとはかなりの違いが見られます。既存タイプでは、レジの内側にあったデリ・ベーカリーの売場は、ハイランド・ビレッジでは入口の前に設けられました。それもショー・ケースを前面に並べたサークル型売場です。高級スーパー並の売場づくりです。主通路を挟んで向かい側にはダンキンドーナッツが導入されています。ミール・ソルーションに対するウォルマートの答えがこの売場に現れていると言えるでしょう。

 また、薬・化粧品が食品の向かい側に設けられています。既存タイプでは、ホーム関連のゾーンにあったものが、食品側に変わったのです。ゾーンとしてはファッションなのですが、壁面を利用して作られていたファーマシィの売場は、ゾーンの中に移されたのです。宝石売場もファッション売場と関連が強くなりました。これまでは、チェックアウトの前面にお菓子・副通路・宝石・副通路・レディス・ウエアと並んでいたのですが、ハイランド・ビレッジでは、チェックアウトの前であることは変わりませんが、ファッション売場の真ん中に入っているのです。商品のグルーピングを意識して、売場のレイアウトを考えていることが分かります。安いから、どんなレイアウトでも良いといったこれまでの考えとは明らかに違ってきているのです。

 もう一つの大きな変化は、店内のテレビジョンネットワークが見られないことです。レジや主通路の上にモニターを設置して売場の案内や新製品の宣伝をしたりしていましたが、ハイランド・ビレッジ店では、家電売場にある大きな画面のテレビ・モニターを除いて、売場には一切無くしています。売場に静かな雰囲気を出そうというのが、店のコンセプトのようです。その代わり、売場の表示はきちんとされています。並んでいる商品だけでも十分に分かるのですが、大きな看板と小さなPOPを使って、きれいに表示されています。特に価格の表示は、控えめです。ウォルマートと言えば、価格が一番にくるのですが、それが控え目なのです。

 こうした現象は、“アップスケール”と言われています。“アップスケール”とは、簡単に言えば生活の質向上を目指して売場を変えることです。単に商品を販売すると言うのではなく、生活の局面に目を向け、それに対する提案をしていくということです。“物から事へ”といったこともその一つです。ところが、ウォルマートでは、“アップスケール”を否定しています。つまり、この方向を拡大するつもりはないようです。あくまでも地域のお客のニーズとウォンツに対応するため、というコメントを出しています。2006年のデータで1980店舗あるスーパーセンターのすべてを“アップスケール”することは、とても無理なことです。従って、前述のようなコメントになるのでしょうが、逆に、それだけのチェーンが、地域のお客に対応するために特別に店舗を作ってしまうというのは驚きです。ただ、ハイランド・ビレッジには、日本の店舗のノウハウが生かされているように思われます。
スポンサーサイト

テーマ:ビジネスブログ - ジャンル:ビジネス

食のオリンピックは大賑わい
会場では美味しいものが試食できる。
幕張メッセ(千葉県・幕張)で3月11日から14日までの4日間、国際食品展(FOODEX JAPAN2008)が開かれていた。アジア最大級という食品と飲料のトレードショーで、今回で33回目になる。

アジア最大というだけに世界62カ国・地域から2300社、小間数にして3374小間が、幕張メッセの会場に展開された。まさに食のオリンピックと言った様相だ。トレードショーであるから、お客は食のプロ。具体的には食品・飲料のバイヤーや飲食の関係者が主。会場では、試食があったり、商談が行われたり、有名料理人、実務家や海外出展者のセミナーなどもあって賑やかだ。

ブースで目立っていたのは、イタリア、韓国、スペイン、メキシコといったところ。イタリアでは、ワインやオリーブオイル、韓国では、キムチやマッコリといったようにそれぞれ得意なものを展開していた。日本のブースは、各県の産業振興団体が名産品を持ち寄っていた。目を引いたのはお酒のエリア、特に焼酎はいろいろの種類を揃えて利き酒をしていた。

中国からの出店もかなりの数あったが、各ブースの試食や商談は少ないようで、全体の賑わいのなかで、一カ国だけ取り残されたようなさびしさが感じられた。やはり、餃子のメタミドホス混入問題に端を発した中国食品に対する不振は、こうしたところにも確実に現れているといったところだ。

残留農薬や穀物の値上げなどによって、日本の食料自給率の低さが改めて浮き彫りなったが、この展示会を見ると、もはや食の国際化は止められない、という感を強くした。それは、単に必要な食料の自給率の問題ではなく、日本人の食欲の旺盛さを実感するからだ。62の国と地域といったバラエティに富んだ食品と飲料を口にする国民が他にいるだろうか。この贅沢は、もうそう簡単に捨てることができないのではなかろうか。

テーマ:ニュース - ジャンル:ニュース

筑波山の梅は最高でした
山道に
 暖かい風に誘われて筑波山の梅林を訪ねてきた。筑波山の中腹、標高約250m付近にある筑波山梅林は、4.5haの園内に、白梅・紅梅・緑がく梅など約1000本が植えられている。ここ何年かは、水戸の偕楽園の常連であったが、筑波山の梅も良いという話を聞いて、一度行ってみようと思っていた。たしかに、筑波山の梅林は傾斜ということもあって、より密集度が高く感じられるとともに野生の素朴な味がとても良い。
 また、筑波石の巨岩が園内のいたるところにごろごろあって、岩と梅とのコントラストが素晴らしい。山道であるから登り下りは少々厳しいが、最上部の「展望あずまや」までは全長130㍍の木道が整備されていたり、所々にベンチなどもあって、お年寄りでもゆっくりと花見が楽しめるようになっている。最上部のあずまやからの展望は、咲き誇る梅の花とその先に田園風景が広がって最高の景色だ。天気の良い時には、富士山も見えると言う。
 3月20日までが梅まつりで、道の途中には露店が出ていたり、休憩所では梅茶のサービスなどもあって賑やかだ。今日は見ることが出来なかったが、日によってはがまの油売りの口上や甘酒のサービス、茶会(野だて)などのイベントもあるそうだ。梅まつりは、毎年約20万人が来園するということだが、つくばエクスプレスの効果もあって、来園者は確実に増えていると言うことだ。この土・日が、ちょうど見頃のようだ。

 青空に梅が波打つ筑波山
 紅白の花が触れ合う春の山
 つくば石 花は静かに降り落ちて春の知らせを妻と楽しむ

テーマ:今日の出来事 - ジャンル:ニュース

ウォルマートのニュープロトタイプ「ハイランド・ビレッジ店」
CONTENT.jpg
「これがあのウォルマートなの?」と疑問が生じるような店舗がテキサスのハイランド・ビレッジにオープンしました。ハイランド・ビレッジ店は、ダラスの北西部に位置し、昨年秋にオープンしています。この地域は、スーパーマーケットナンバー2の「クロガー」、成長著しい自然・健康食品の「ホール・フーズ」、ローカルの雄「HEバット」、HEバットが開発したアップスケール店「セントラルマーケット」などの強豪がしのぎを削っているところで、ウォルマートも油断が出来ない場所です。油断ができないというよりも苦戦しているところと言っても良いでしょう。

 ウォルマートと言えば、箱形のコンクリート造りで、端的に言えば味も素っ気もない店舗です。ところが、20万3、000スクエアフィート(約5600坪)と言う大きさを誇るハイランド・ビレッジの店舗は、金属制の三角屋根の建物を真ん中に、右手に “ホーム&リビング”の建物、左手に “マーケット&ファーマシー”の建物という構造になっています。真ん中の三角屋根の建物は、回りの建物よりも背が高く、全面ガラス張りで作られています。このデザインは、テキサスの牧場をイメージしているということですが、まったくウォルマートらしくないのです。知らない人が行ったら違う店に入ったと勘違いするでしょう。

建物だけではありません。駐車場には大きなピーカンの木など緑が配置されていますし、ウォルマートの名前は、正面の建物に控えめに表示されているだけです。前述の“ホーム&リビング”とは、ゼネラル・マーチャンダイズ、つまり家電や家具、園芸用品と言った商品を括ったもので、 “マーケット&ファーマシー”とは、フードとドラッグを括ったものです。ウォルマートの主力は、ディスカウントストアとドラッグストアを合体させたスーパーセンターですが、まさにその2つです。ナチュラルとエコという現代的なテーマにどう対応するかがこの店舗の課題と言うことなのでしょうが、注目すべき動きです。

テーマ:ビジネスブログ - ジャンル:ビジネス

アウトレットセンターは数が少ない
 現在、アメリカには4万5000からのSCがあります。このうち65%位がネイバーフットSC(NSC)と言われる小規模、近隣型のものです。スーパーマーケットを核店に日常生活に必要な商品を扱うのですから数が多くなるのは当然のことと言えます。このNSCの機能に実用的なファッション商品を付加したコミュニティSC(CSC)まで含めると95%近くになります。つまり、この2つのタイプでほとんどの買物は済んでいるということです。

 逆に、よそ行き着のような非日常ファッション商品や家具、大型家電などを付加したリージョナルSC(RSC)は、4%位、有名ブランド品などを付加して街中での買物と同じ機能を提供するスーパーRSC(SRSC)に至っては1%位しかありません。数にすると500ヵ所ほどということになります。日常生活からかけ離れた買物は、それほど必要とされないのです。

 工場直送のアウトレットセンターにしても同様です。いかに魅力のある商品で、安価だからと言っても買物は多くないのです。お客のニーズが少ないということもありますが、もう一つ数が増えない理由があります。それは、商品の補充です。工場では通常では売れない製品がたくさんあると言っても、あくまでも例外なのです。従ってあまり店数が多くなると、商品が間に合わなくなってしまうのです。

 景気が悪化して、売れ行きが落ちている時であれば商品は間に合うのですが、売れ行きが良くなれば、すぐに商品は欠品してしまいます。これでは、安定した商売はできませんし、SCも成立するのが難しくなってしまいます。そこで、最近では、アウトレットセンター向けに特別に製品を作るという工場も出てきているようです。

 いくらアウトレットセンター用の商品を作ったからと言って、商品が間に合うものではありません。従って、数が多くなることはありません。アメリカでも90年代の初めにブームがあって急速に数を増やしましたが、その後あまり増えていません。SRSCでも500ヵ所くらいですから、アウトレットセンターも現在500ヵ所弱ではないかと思われます。日本では、できても100ヵ所がいいところと言えるでしょう。
 

テーマ:ビジネスブログ - ジャンル:ビジネス

再びアウトレットセンターの真実
 アウトレットセンターの1号店は、1973年にメイン州キットリーにオープンしたものと言われています。陶器、ガラス器、銀器などの製品で有名なダンスキンで働いていたバリー・M・ギンズバーグ氏のアイデアによるものだそうです。
 
 そのアイデアとは、工場で“寝ている”製品をお客に買ってもらうというものです。“寝ている”とは通常ではお店に出せない製品ということ。つまり、工場には、季節や流行遅れになってしまった製品や傷物、過剰在庫などがたくさんあるのです。しかし、たとえそのままお店に出せないとしても、機能的には十分役割を果たしますし、何と言っても有名ブランド品です。ダンスキンで働いていたギンズバーグ氏にとって、そのまま捨てられていくこれらの製品を見るに忍びなかったということは想像できるところです。

 そこで、こうした製品を誤解を受けないような場所で、安価で販売すればお客が買ってくれるのではないかと考えたのです。お客の誤解とは、デパートや専門店で扱っているものを安く売っているのではないかということです。実際、当初はデパートや専門店から大変な反発を受けましたが、正規の商品とは違うし、まったくお客とかけ離れた場所で販売するということで、数を増やしていきました。工場が直接販売するということで、“ファクトリーアウトレットセンター”と初めは呼ばれていました。

 ロサンゼルスのダウンタウンから車で1時間半ほど走ったバーストウのファクトリー・マーチャント・アウトレットプラザとかカバゾンのデザートヒルズ・ファクトリーストアーズ、サンディエゴのファクトリー・アウトレットセンターなどが初期の頃の代表的なものであるが、どれも最初は50~60店と店数も少ないものでした。

 

テーマ:ビジネスブログ - ジャンル:ビジネス

生衛関係業者での講演
 生衛業とは、正式には生活衛生関係営業といい、理・美容業、クリーニング業、ホテル業、旅館業、飲食業などの商売が含まれている。先日、茨城県の生衛業者の集まりに講演を依頼された。テーマは、「小が大に勝つ」ということであったが、時間が1時間と短いこともあって、3つのことに絞って話をした。

 1つ目は、目的を明確に持つ、ということ。2つ目は、時流を正しく認識する、ということ。3つ目は、原理原則を再度認識する、ということである。なぜこんな基本的な話を改めてしたかというと、企業が大きくな ればなるほど、ここに弱点が生まれるからだ。もちろん商売の目的は、お客に満足してもらう、ことであって、小さい大きいは、関係がないことなのだ。

 小さくても何年も商売を続けているところは多いし、一時は日本の流通業をリードしていたダイエーや西友のように、経営が傾いてしまった企業も多い。しかし、大の弱いところをしっかり認識し、その弱点を突いていくことも小が勝ち残っていくにはもっとも重要なことなのだ。

 生衛業に関する業種は、小規模が多い。商売の性格上しかたがない面もあるが、逆に言えば、小でも十分に成立する業種であるし、もっと言えば小だから大と十分に戦える業種ということでもある。小というだけで、負け犬になってしまうことが多く感じられるので、前述の3つの話をしたのだ。

 商売は、これから一層難しくなってくるが、3つのことをしっかり理解していれば、大などに負けることはないし、勝ち残っていくことは間違いない。小手先のテクニックで何とかなるのではないか、と思っているのが、一番危ないということに気付いて欲しいのだ。時間は十分とは言えなかったが、集まった生衛業関係の人達は、真剣に耳を傾けていた。それなりに意図は、伝わったのではないかという実感があった。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。