小売業は、その国の生活を映す鏡のような存在であるが、世界のショッピングセンターや小売店の実情から、生活全般の変化を考える。
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発展するロシアの顔
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 ロシアに行ってきました。ロシアといっても広大な国です。正しくは、主にモスクワ、サンクトペテルブルグ、それにスズダリ、セルギエフポサード、ウラジミールなどです。初めての訪問でしたが、話に聞いていたよりも整備は行き届いていましたし、ホテルや食事もなかなかのものでした。難を言えば、交通渋滞など何に付けても待たされることでした。都心は目と鼻の先に目的地が見えるのに渋滞でなかなか進みません。直ぐに一方通行のようなことも考えなければならないでしょう。空港なども手続きに時間が掛かって、まだ整備する必要がありそうです。

 今回驚いたのは、人の多さです。行ったところが観光地であったこと、天候が良かったこともあったのでしょう、どこへ行ってもたくさんの人がいました。特にサンクトペテルブルグのネフスキー大通りの人の多さは、日本の新宿、渋谷を上回るほどのものでした。最近、あまり人混みを歩いていなかったので、人に酔ってしまって地下鉄に乗ってみるという予定は実現しませんでした。

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 「ソ連とアメリカの違いは、スーパーマーケットが有るかないかだ」とFMI(全米スーパーマーケット協会)の総会にメッセージを送ったのは、当時のジョン・F・ケネディ第35代大統領でした。ダイエーの創業者中内功(正確には作りは力でなく刀)氏もそのメッセージに感銘を受けたと聞いています。しかし、今では生活に必要な商品は豊富にありますし、スーパーマーケット、百貨店、ショッピングセンターもありました。ただ、日本やアメリカなどと比較すると商品のバラエティさが足りないように見えます。高級品と低級品の2極だけで、その間をつなぐものが無いのです。これからもっとバラエティに富んだものになっていくものと思われます。

 小売業は、外国からの企業の進出が見られました。フランスのオーシャンやドイツのメトロ、スエーデンのイケア、スペインのザラなどが目につきました。ヨーロッパの主要企業が拡大している、ということなのでしょうが、日本のコンビニエンスストアが見られる日もそう遠いことではないように思われます。世界の主要都市は、格を競うようにルイビトン、エルメス、シャネル、グッチなどの有名専門店を導入しています。まるで無いと一流都市ではないというような感じです。これでは、繁華街はどこへ行っても同じ、ということになりかねません。その都市の顔をどう作っていくか、がこれからの大きな課題になるような気がします。

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 BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)と呼ばれるように、全体的に言えば、ロシアはこれからの国です。この4か国が経済発展の著しい国ですが、特にロシアの発展は目覚ましいものがあります。発展著しい国の特徴は、資源を持っていることと主な産業が農業だということです。つまり資源と食糧を握っている国ということになりますが、ロシアはGNPの70%強を資源に依存している、ということなので何も無い日本から見ると羨ましい限りです。しかし、どの国もそうですが、発展には沈みがつきものです。金持ちと貧乏人の格差が広がっているようです。年金で暮らしていたようなお年寄りは、苦しい生活を余儀なくされているのに対し、石油や天然ガスなどに関わっているような人たちは、高い給料を貰って裕福な生活を楽しんでいるようです。資源に頼っている現状をどう脱皮していくのか。プーチン大統領は、どんな国を作ろうとしているのか。これからが興味深いところです。

 発展の余地は、十分にあります。その発展に日本が関わることも大いにあるでしょう。あと2.3年もするとガラリと変わっていることと思います。そういえば2014年には、ロシアのソチで冬のオリンピックが開かれることになっています。それに合わせて空港の改築なども進めています。どんなに変わっているか、再び訪れてみたい国です。
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スペインの秋(2) 流通業の特徴
アルハンブラ宮殿


 スペインの話です。スペイン旅行に出かけたのは、昨年の10月。第一回を11月16日のブログで取り上げましたが。それからいろいろあって、二回目がなかなか掲載できないままになっていました。止めようか、とも思ったのですが、次に行く機会もないスペインのこと、これだけは記録しておきたいと、今回遅ればせながら手を付けることにしました。

 スペインの小売業の実情は、日本と似たようなものでした。一つは、大手の小売企業にどんどん集中しています。つまり寡占化が進んでいるのです。主要10社で74.2%、主要50社で92.4%という2009年のデータがありますので、日本より激しいかもしれません。二つ目は、総合スーパーよりも専門店の方が勢いが良いことです。メルカンドナ、カルフール、エロスキ、オーシャンといった大手企業があるのですが、ザラのような専門店の方が成長率は高くなっています。日本でもイトーヨーカドーやイオンよりユニクロを展開するファーストリテイリングの方が、成長力があるのと同じです。

 三つ目の特徴は、日本とは違うのですが、外資企業が力を持っていることです。売上高2位のカルフール、4位のオーシャンはフランスの小売企業です。カルフールなどは、1位のメルカンドナに肩を並べるほどになっています。島国の日本と国境を接するヨーロッパの違いなのでしょうが、国際化は避けがたいものになっているのです。スペイン国内では、外資が幅を利かせていますが、ザラのように国外の売上比率が70%近くになっている小売業もあることを考慮すると、海外・国内のこだわりは左程ないのかもしれません。
洞窟フラメンコ



 ザラがスペインで生まれたのは、ヨーロッパにおけるスペインのポジションと関係しています。スペインは、ヨーロッパのなかの繊維の産地でもあります。パリやロンドンは、ファッションの町として、ファッション性を売り物にしていますが、スペインは、服飾の生産地なのです。安くて品質の優れた服が大量に生産されています。ザラの親会社であるインディテックスは、いち早く世界に専門店を展開したアパレル会社なのです。アパレル会社のなかでもインディテックスは、圧倒的に大きな企業になっています。

 最近は、大型店やスーパーに偏重していますが、モール・タイプのショッピングセンターは、ほとんど見られません。ヨーロッパ諸国と同様に市場や個人商店といったものが、まだまだ幅を利かせています。フリーウエイを走っていても、時折カルフールやオーシャンといった大型店を中心にした商業集積を見かけるだけです。アメリカ小売業の影響の大きい日本では、チョッと考えられない構造になっています。

 レコンキスタが完了した場所でもあるアルハンブラ宮殿は、イスラム芸術の最高傑作です。ナスル王朝によって約250年間都として繁栄したグラナダの中心です。この宮殿を見ると、砂漠の民がいかに水にあこがれていたかが良く解ります。貴重な水をふんだんに使っているように、見せる工夫がされているのです。もう一つ特に注目されるのは、内部が寄木細工で作られていることです。絵画や装飾などは一切使わず、寄木によって部屋の美しさを出しています。大変な手間がかかったと思われますが、この芸術性にはキリスト教徒も手が触れられなかったようです。
サグラダファミリア

 グラナダでは、フラメンコショーを見学しました。アルハンブラ宮殿の向かい側にある丘です。狭い洞窟で繰り広げられるフラメンコは、踊り子が目の前まで来て迫力のあるものでした。スペインの一夜を満喫して次の日はバルセロナに向いました。バルセロナは、言わずと知れたガウディの建築物です。サグラダファミリアから始まってグエル公園、カサミラ、カサバトリョと主要なものは全て見ることが出来ました。サグラダファミリアの未来的な内装には感激しました。どれも素晴らしいものでしたが、はっきりしたことは、ガウディの建築物は莫大な手間がかかるということでした。とても現代では、あるいはこれから先にも似たような建築物はできないだろう、と思います。それでもこれだけのものを残してくれた先人に感謝です。

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スペインの秋(1)
トレドの町


 スペインと言えば、何と言ってもアルハンブラ宮殿、ガウディの建造物、そしてザラです。ユニクロが韓国にアジア最大の店舗をオープンしたり、H&Mの攻勢が始まったりと3社の戦いが一層激しくなっているところで、本場のザラを見てみようとスペインに行ってきました。しかし、アルハンブラ宮殿とガウディの建造物、他にもプラダ美術館やグラナダのメスキータなど世界遺産と言われるものは見たのですが、残念ながらザラはやっと帰国する時にバルセロナの空港で看板だけ拝んだだけで、売場を見ることが出来ませんでした。

 今回のスペイン旅行は、マドリッドから入りました。そこからトレドへ向かい、トレド市内を観光した後、エル・グレコの有名な「オルガス伯の埋葬」を鑑賞しました。エル・グレコと言うのは、名前でなくギリシャ人という意味だそうで、初めて知りました。翌日は、マドリッドの市内を観光し、プラド美術館に出かけ、エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤの3大画家の作品を鑑賞しました。宮廷画家ベラスケスの「ラス・メニーナス(女官たち)」、ゴヤの「裸のマハ」、エル・グレコの「胸に手を置く騎士の肖像」などどれも素晴らしいものばかりで感動しました。

 翌日は、コルドバで世界遺産のメスキータを見学しました。メスキータとは、スペイン語でイスラム教寺院(モスク)のことですが、13世紀のレコンキスタによって、キリスト教の寺院になりました。モスクの建物をそのまま利用したので、2つが混じりあったようになっています。レコンキスタとは、イスラム教徒に占拠された国土を回復する運動のことで、数万人を収容できるという旧モスクの中心部分がキリスト教の祭壇になっているところは荘厳としか言いようがありません。

トレドのカテドラル


 コルドバからセビージャに向いました。セビージャは、日本ではセビリャと紹介されることが多いのですが、アンダルシア地方の中心で、70万人が住むスペイン第4の都市です。オペラの「カルメン」「セビリャの理髪師」「フィガロの結婚」などの舞台になっていることでも有名です。セビージャでは、市内観光の後世界遺産のカテドラルを見学しました。このカテドラルは、何でもローマのサン・ピエトロ大聖堂、ロンドンのセント・ポール寺院に次いで3番目の規模だということです。この寺院もレコンキスタによってキリスト教聖堂に造り替えられたものだそうです。100年の歳月を掛けて造り替えられたということですが、宗教の力の大きさには驚くばかりです。大航海時代には、新大陸の発見と共に交易港として栄えたということで、コロンブスの廟もあるということです。

コルドバのメスキート


 セビージャを後にしていよいよグラナドに向いました。移動手段はバスなのですが、とにかく長い距離を走るので疲れが溜まってきます。ただし、フリーウエイは、どこもよく整備されていて思ったよりも快適でした。ちなみにセビージャからグラナダまでは、258㌔あります。グラナダは、イベリア半島最後のイスラム王朝(ナスル王朝)が栄えた街です。レコンキスタによって1492年にキリスト教徒に奪回されるまでの250年間ナスル王朝は繁栄を極めました。イベリア半島にとってレコンキスタが如何に大きな意味を持っていたか、その後の文化形成に与えた影響は計り知れないものがあります。

 スペインは、どこまで行っても草原といったような国でした。正にドン・キホーテの本に出てくるような土地柄です。ただ町はどこも綺麗でした。訪ねた町が、世界遺産関連ということもあったためか、ゴミが目立ちません。犬の糞やたばこの吸い殻などがあったパリとは大分違います。いずれにしても楽しみにしていたアルハンブラ宮殿の町に到達することになりました。アルハンブラについては、次回にいたしましょう。

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ル・コルビジェのサボア邸など充実した日々

シンプルなル・コルビジェのサボア邸

 パリでの予期せぬ時間の増加を活かして、有名な建築家ル・コルビジェが設計したビラ・サボアを見学に行きました。ビラ・サボアは、サボアという人の別荘で日本語ではサボア邸と言うようです。パリの中心から約1時間、地下鉄と鉄道を乗り継いでポアシーという終点の駅で降ります。そこからバスに乗り10分程乗るとサボア邸に到着します。この辺りはパリ市内とは違って、素敵な一軒家の建つのどかな高級住宅地といったところです。駅から歩いてもたいした距離ではなかったのですが、初めてのことで道に迷うのを心配してバスを利用しました。帰りは食事がてら歩いてポアシー駅まで戻ってきました。

 バス停に降り、少し歩くと金網の塀があります。その間にある入口は簡単なものです。立看板がなければサボア邸の入口とは気付かないのではないかと思います。木々に囲まれた小道の先に広い空間があって、その真ん中に白い建物が置かれています。建っているというよりも置かれている、という感じなのです。何の飾りも無く、一見したところ、ありきたりの建物のようであまり衝撃は受けませんでした。ところが、建物の中を見てから、改めて外の空間に目を移した時、印象はがらりと変わるのです。

 サボア邸を一言で表現しなさいと言われれば、私は「シンプル」と言います。そのシンプルさは、機能からきています。シンプルに機能を追及し、美しい空間を創り出しているのです。シンプルであるから美しいのです。ル・コルビジェは、この建物を1928年から1931年に建設したそうですが、現在の生活にも十分対応できる建物です。実際、見学していてここに住んでみたいと思いました。サボア邸は、「明るい時間」との名称を持ち、ル・コルビジェが提唱する「現代建築の5原則」、すなわち「ピロティ」「屋根の上の庭」「自由な設計」「横長の窓」「自由なファサード」を正確に実現した建物と言われています。現代建築はここから出発していると言っても過言ではないようです。

 サボア邸は、パリ市内の観光場所とは違って、人はあまり多くありません。実際、見学中に一緒になった他の見学者は一組位しかいませんでした。様々な花の咲く庭の隅に立ち、しばらく白い建物を見続けました。パリで足止めを食っていなければ、こんな時間は、永久に持てなかったかもしれません。一時の静寂を後にして、また観光客でごった返しているパリの中心地に戻りましたが、今回のフランス旅行で、最大にして最高の収穫だったような気がします。
レンタルサイクルで軽快にパリ見物

 パリ市内で興味を引いたのは、レンタルサイクルです。道路に自転車が並べられてあり、希望者は自転車で街を見て歩くことができるようになっています。確かに街では自転車を使って移動している人を見かけます。自転車置き場は、あちこちにあって最初は、何だろう、日本のような単なる駐輪場だろうとおもっていましたが、並べられている自転車は、すべて同じ形態のものでしっかり固定できるような装置が付けられているのです。

 レンタルの仕組みは簡単です。自転車が並べられた傍には、自動貸し出し機が置かれています。自動車の一時駐車機械のようなものですが、箱型になっていて、お金の投入口とプッシュホンのようなナンバーボタンが付いています。自転車は、ただ並べられているのではなく、1台ごとに固定されロックが掛かっています。自動貸出機にお金を入れ、借りたい自転車の番号のナンバーをプッシュすれば自転車のロックが外れる仕組みになっているのです。自転車は、同じ形、ギヤァにはカーバーが付いていて、盗むのは不可能です。返すときは別の自転車置き場でもいいので、同じ場所に戻る必要はありません。さすが世界一の観光地パリならではのサービスだと感心しました。日本も観光立国を目指すのであれば、こうした配慮が必要なのでしょう。パリは、いろいろの勉強をさせてくれました。

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